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2020年11月17日_参議院法務委員会_真山勇一議員

真山勇一議員の親権制度についての質疑を文字起こししました。

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真山勇一議員

新しい家族の在り方と言う事を考えていただきたいと思います。子の親権、子どもの親権、養育を巡る問題についてお考えをお伺いしたいという風に思います。
上川大臣は、所信の中でですね、親権制度、養育費、面会交流、それからチルドレンファーストと言う言葉を使って言及をされております。改めてこういう風に言及されている、この意気込みを改めてお伺いしたいと思います。

上川法務大臣

離婚後のですね、親権制度、そしてまた面会交流、さらには養育費の問題と言うことで、父母の離婚に伴いまして子の養育の在り方に関しましては、非常に重要な課題であると認識をしております。子どもの利益をはかる観点から、この重要な問題に対しまして、私といたしましても、所信でも述べさせていただきましたが、最優先課題の一つとして、しっかりと取り組んでいこうと言う決意でいるところで御座います。

真山勇一議員

今のやはり社会、特に家族の形、大きく変わっていると思います。最優先で取り組む、正にそういう課題ではないかと私も認識をしております。その関連でですね、お伺いしたいのですが、一昨年なんですけども、大臣がいらっしゃった時に、私あのEUから手紙が来たと、この子どもの扱いについてですね、ハーグ条約に絡んでの話なんですけれども、その時にですね、面会交流、あるいは離婚後のその面会交流、子どもの引き渡し、特に引き渡し。そういった点についてですね、日本の現状に懸念を示す書簡を受け取られたというふうに思います。で、その後それに対して大臣は回答の書簡を出されたと言うふうに伺っておりますけれども、これで、やり取りで問題点を指摘されて、大臣が回答されて、何か改善した事は何かあるんでしょうか?

上川法務大臣

思いおこす訳で御座いますが、真山先生からこの委員会におきましても、あの只今ご指摘の、私が法務大臣を務めていた平成30年の4月にEU加盟国の大使らが法務省に来られました。そして面会交流や子の引き渡しに関する問題につきまして、関係当局間での対話と意見交換を求める所信を試行していただいた、私も受け取らせていただいたところで御座います。あの、これに対しまして私からの返書と言うところで御座いますが、今後も情報交換を行いつつ、相互の理解を深めていく事を希望する、こうした旨の返書を出させていただいたところで御座います。これ以降でありますが、法務省とEUあるいはその加盟国との間で、必要に応じまして、適宜意見交換等を行ってきたと承知をしております。我が国におきましては父母の離婚に伴う子どもの養育の在り方を巡る問題につきまして、国内における子の引き渡しや、国際的な子の返還等の強制執行のこの実効性向上をはかる、民事執行法及びハーグ条約実施法の改正法、これが本年4月に執行されるなどして、これまでも様々な取り組みを実施してきたと言うところでございます。
 また離婚に伴う子の養育の在り方につきましては、現在家族法研究会におきまして、幅広く検討が進められているところで御座いまして、チルドレンファーストと言う視点で、スピード感をもって検討を進めて参りたいと言う風に考えております。

真山勇一議員

あのハーグ条約事態がですね、子の連れ去りの問題を取り上げていて、そしてあの、先ず現状復帰、つまり連れ去られる前のところに戻すと基本にうたわれている訳ですね。ところがあの、日本がハーグ条約批准してですね、そしてその実施法が出来たけれども、中々そのそれに沿った事が行われない、中々難しい、実施直後から暫くの間は、一件もそう中々その成功例がない。子どもを引き取りに行ったとしても、やはり拒否にあったりして、中々その執行官が子どもを収容するという事が出来ない、そういう状態が続いていた訳ですね。
まぁそのそう言う事が、アメリカやEUなんかにも、かなり懸念が示されていたと思うんですけれども、そういう状況はですね、最近は法改正で、例えば執行官が親がそばに居なくても、子どもを保護出来ると言うような変わってるんですけれども、そういう効果っていうのは、上がっているんでしょうか?

上川法務大臣

この実効性をはかる観点から、今年4月に施行と言う事でございますので、今コロナ禍と言う事ではございますが、大変重要な案件と思っておりますので、しっかりと実が上がるように、さらに推進をして参りたいと思っております。何よりも意見交換を重ねながら、それぞれ日本の実情も十分に理解をしていただきつつ、相手の国との関係性の中で、一つづつの事案について、成果と言うか実行を上げていきたいと、これが法律の趣旨で御座いますので、それに基づきまして、是非ともしっかりと取り組んでいきたいと思っております。また、いずれ少し時間をかけながら、未だ施工したばかりでありますが、実行についての評価と言うことにつきましては、きめ細かく対応をして参りたいと思っております。

真山勇一議員

あの当然の事ですけれども、国境を越えた交流っていうのはどんどん、どんどん広がってボーダーレスになってきている訳ですし、そうなれば国際結婚も増えるし、国際結婚が増えれば、やはりまぁ残念な事に離婚に至るような夫婦もいらっしゃると思うんで、まぁこういう例はですね、多く出てくると思いますんで、是非ですね、時間をかける必要があるかもしれませんけれども、やっぱりこの辺りもですね、速やかな検討をですね、これからしていって、お願いしたいと思うんです。
で、その例として一つ大臣に伺いたい事が次の質問になりますけれども、二枚目の資料を見ていただきたいんですが、これ実は見ていただきたいんです。この方は国際結婚ではなくて、日本人同士のご夫婦なんですけれども、あのアメリカに居る時に離婚されて、アメリカで離婚の手続きをしたと言う事なわけですね。ご主人とお子さんは、未だ現地に残っているそうなんですが、奥様はこっちに帰られました、日本に。それで日本に帰ってきてですね、戸籍を取り寄せてみたら、こんな事が起きていたんですね。
これは、今上が離婚って書いて、戸籍に記録されているものっていうのが二つあります。あのお子さん二人いらっしゃるそうです。もちろん未だ今、アメリカの方にいるんですけれども。そしてこの戸籍に記されているものの、真ん中の段の真ん中の方の、親権と言うところを見てください。親権を定めた日とありますが、親権者父母って書いてあるんです。それからもう一人の子どものところ、記録のところにも一番下のところですが、親権者父母って書いてあるんですね。日本は単独親権ですから、戸籍には普通は父か母しか書いてないんじゃないかと私思うんですが、この方は父母って書いてあるんですね。こういう戸籍が今日本にある、こういう事は大臣は認識は御座いましたか。

上川法務大臣

あの今あのこの、黒く塗った本当に個人のプライバシーの塊のような戸籍で御座いますが、こういう形で拝見した事は御座いません。ただあの夫々国によりまして、この問題についての法制の在り方が異なります。日本は今ご指摘いただいたような内容の中で取り組んでいるところでありますが、まぁその居住の場所で裁判の管轄権と言うものがそれぞれありますので、そこで確定した決定につきまして、その事自体が、最終的な判断と言う形で戸籍の方にも影響してくると言う風に理解をしているところで御座います。

小出民事局長

お答えいたします。これあの、外国で成された判決の日本における承認のケースで御座いまして、あのご指摘のこの外国の判決、あるいは決定におきまして、父母の離婚後の親権が共同親権とされている場合で、その決定がですね、民事訴訟法第118条の確定判決、あるいはこの条文を準用しております家事事件手続法第79条の2の確定した判決に該当し、克つ民事訴訟法第118条各号に掲げる用件の全てを具備するときには、その外国の判決の効力が我が国においても承認されると言うことで御座いまして、日本人である当該子にかかる戸籍にはご指摘の通り父母が親権者として定められた旨が記載されておりまして、この場合は父母は離婚後の子に対して共同して親権を行使する状態になると承知しております。

真山勇一議員

あの、ちょっと私あのこの黒塗りはよくないなと思いながら個人のプライバシーなのであのちょっと隠してはありますけれども、あのちょっと私もこれ、見せられた時にはビックリしたんですね。日本は単独親権っていう風に言われております。民法でもそういう風に決まっておりますけれども、えー、その単独親権の国に、共同親権が認められて、そして今お話しですと、それは認めていると言う事ですと。どうなんでしょう、具体的な何かあのこう言う方が日本にどれくらい、共同親権の人がどれくらいいるのかとか、或いはそれによって何か不都合とか色々な問題っていうのが起きていないのかどうか、この辺はいかがなんでしょうか。

小出民事局長

お答えいたします。あのご指摘のですね、あの当該父母が親権者として定められたという事が記載されている場合について、具体的な事例ですとか、何件あるのか件数を把握しておりませんので、このような記載がされた場合に我が国において不都合が生じているかどうかについても承知しておりません。

真山勇一議員

まぁそんなに数が無いんで実態がつかめないかもしれませんが、今この我が国に於いて、単独親権と共同親権が両方存在するって言う事で、今後例えば、これで予想される何か問題点とか、気掛かりな点と言うのは考えられておりませんか。

小出民事局長

あの夫々具体的な事例に応じて何が問題なのかって言うのを考えるべきと思いますが、例えば共同親権の状態が非常にこう子に対して不利益、悪影響を及ぼすと言いますか、子の利益の観点からはよろしくないと言うときに、外国の裁判所の判決によって共同親権とされているものを、我が国で一端承認をしたとしましても、その場合に父または母の単独親権にすることが、日本の裁判所で手続き上出来るかどうかといったような事は、あの問題になるのかなと思います。

真山勇一議員

大臣も仰っているようにですね、あの親権制度と同時に養育費の問題ですとか、面会交流、あと監護権なんてものもあると思うんですけれども、そういう問題もあるんじゃないかと思うんですね。で、今あのやはり、日本で例えば連れ去りみたいな事が起きているけれども、この辺り、単独親権だと、どうしても、そのどちらかが親だと言う風になってしまうんですが、この共同親権ですと、両方親権者が両方となると、あの例えば、養育費の問題を決めるにあたったり、それから面会交流にあたったり、子どもの事をどうするかって言う事を考える上でですね、単純にどちらが良いかって言う事はとてもセンシティブな問題ではあると思うんですけれども、それぞれの家族によって違うとも思うんですが、やはりあの、こうした事がですね、今後増えていく事は今後考えられる訳ですよ。国際結婚も増えておりますし、日本人同士でもこういう事がある、特に国際結婚の場合はもっときっとシビアの状況っていうのが出てくるんじゃないかと言う風に思うんですが、この辺りからやはり、今大臣が仰った家族法研究会の方でも研究をされていますけれども、あのやはり一つは、そんなに結論を待ってられずに、ある程度方向性と言うのは見出さないといけないと思うんですが、その辺りはどう言う風に考えてらっしゃいますか。

上川法務大臣

離婚後の父母の双方が、適切な形で子どもの養育に関わる事につきましては、これは子どもの利益の観点から、非常に重要なことであると考えております。父母が離婚したのちの、子の養育の在り方について、そのような観点から、今後検討を進めていくべき重要な課題であると認識をしております。ご指摘の問題につきましては、離婚後も父母の双方が子どもの養育の責任を負うべきであるとして、離婚後も父母が共に親権者となる、所謂共同親権制度を導入すべきであるといったご意見が御座います。また他方で、離婚後共同親権制度導入すれば、離婚した夫婦の間で、子どもの養育に関する事項に必要な合意が適時に得られないなど、子どもの利益に反する恐れもあると、こうした指摘も御座います。我が国におきまして、この父母のこの離婚後の親権制度など、父母の離婚後の子の養育の在り方につきましては、現在家族法研究会におきまして、民事法制の観点から幅広く検討がされていると承知をしております。この問題につきましては、共同親権制度の是非と言う観点に言葉にとらわれる事なく、子どもの最善の利益をはかるために、父母の離婚後の子どもの養育はどうあるべきかと言う原点に立ち返って検討すべきではないかと言う風に考えておりまして、そのような視点をもってしっかりと検討を進めて参りたいと考えております。

真山勇一議員

前回のEUからの書簡の時にお伺いをしたら、やはり大臣の方からは、児童の権利に関する条約、これを重要視していると言うお答えをいただいたわけですけれども、児童の最善の利益をはかる、そして両親は子どもの健全な育成のため、共通の責任をもっており、それを守らなければならないと言うような事が児童の権利の条約には明記されているわけです。まぁこうした事からもチルドレンファーストと言う言葉も出てくるんじゃないかと言う風に思うんですが、この共同親権の問題と同時に、大臣も所信の中で述べられているようにですね、共同養育の問題ですとか、面会交流の問題も同時に出ていますね。で、やっぱりこれどこから進めるかと言うのも1つ大きな課題になるんじゃないかと言う風に思っています。今動きを色々見ていますと、あのどこから先に手をつけるかと言うことで、色んなアプローチがされていると思うんですが、やはりあの今社会の中で問題になっている子どもの貧困、或いは母子家庭の貧困などと言う面からみると、養育費と言う事にスポットライトがあてられて、兎に角そういう面でも先に進めようよと言う動きがありますけれども、大臣としては家族法の話し合いなども含めて共同親権と、養育費の問題と、面会交流。これやっぱり一つのセットになるような、それぞれ関連のある問題ではあって何処から先にやるかとか、或るいは全体的なバランスを取りながらやっていくのが良いのか、その辺と言うのはどのように考えておられるでしょう。

上川法務大臣

家族法研究会におきまして、民事法制こうした観点から幅広い検討が進められてきているところで御座いますが、様々なアプローチの仕方があろうかと思います。養育費の在り方につきましては様々な形で提案を成されておりますし、また面会交流の在り方につきましても戸籍の中にどう記載するかも含めまして、これまでも取り組みを進めてきているところで御座いますので、そう言う観点から進めていけば、家族の在り方に関するフレームワークについても当然の事ながら視野に入ってくると言うことであります。どこからいけば一番ベストなのかと言う議論と言うのはありますが、それ以上に現下の課題や問題点で極めてシリアスなところから入っていくと言う事も、アプローチの仕方としてはあるのではないかと考えておりまして、今まで蓄積された様々な議論と言うものを大切にしながら、全体の中でこの問題につきましても、対応して参りたいと言う風に考えております。

真山勇一議員

この子どものめるぐ問題っているのは、やはりあの大きな問題点は離婚っていう事だと思うんですね。やはり今までの我が国の在り方と言うと、離婚と言うのは夫婦二人が、破局してしまったという事で離婚届けを出せば、それで終わりと言うような、市町村の窓口に離婚届けを届ければそれで終わりと言う事だったわけですけども、やはりそれじゃあ、子どもの居ない夫婦は兎も角、子ども居る夫婦の場合、子どもどうするんだって言う事が大きくクローズアップされてきている訳です。それが世界的な大きな流れの中で、やはり子どもの事を考えなくてはいけない、子どもの最善の利益を守るって言う事が、大事であると言う風に言われてきている訳ですね。やはり子どもにとってはお父さんは一人だし、お母さんも一人だし、そういう事があるわけですね。やっぱりそれが片方だけが親で片方は切り捨てられてしまう、そういう事が、今の日本の単独親権の中にはあると思うんですね。勿論あの世界を見てみれば、全部が全部共同親権ではありません。単独親権の国もありますけれども、やはり子どもの事をチルドレンファーストで考えてみれば、やっぱり子どもにとってはお父さんだし、お母さんだしって言う存在がある訳で、存在が一方的に消されてしまうと言うか、法律上なくなってしまうっていう事がやはりあの単独親権のまぁ言ってみれば、問題点と言う風に言われているんじゃないかと思いますが、大臣が仰るようにやっぱり、共同養育の問題とか面会交流の問題もですね、こういう事とリンクしながら、あのやんばり考えていくべき問題じゃないかなと言う風に思っております。あのそう言う事で勿論あの家族法会議で議論されているところだとは思いますけれども、こういうあたりの、一つの議論の目途も、何回ぐらいやられているんですかね、9回ぐらいやられているって伺っていますけれども、その辺りでこの今後のこの辺りの目途をですね、どんな風に考えておられるのかお聞かせください。

上川法務大臣

家族法研究会におきまして、先程申し上げました通り、父母の離婚後の子の養育の在り方について、幅広く議論がされているところで御座いますが、現在各論点につきまして、二巡目の議論が行われているものと承知をしているところでございます。子の養育の在り方や制度的な方向性につきまして、先程申し上げた通り、様々な意見や課題のご指摘が御座いまして、今の段階でですね、取り纏めの時期について、申し上げると言うのが中々難しい状況で御座いますが、私からはですね、子の利益に関わる極めて重要な問題であると言う風に考えておりまして、この法務省の担当者に対しましては、子どもの利益または目線、これを大事にしながら、スピード感をもって積極的に議論に参加するように指示をしているところで御座います。

真山勇一議員

先程の大臣のお答えの中でも、大変重要な課題であり、最優先で取り組みたいと言う言葉がありました。是非ですね、世の親のため、子どものため、特に子どものため、考えてこの議論、速やかに進めていただくと言う事で質問を終わります。

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