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さんすうは数学ではなく児童心理学寄りに成らざるを得ない
掛け算の順序問題については前から興味がありました。
「なにそれ?」と思った方はウィキペディアの解説をどうぞ。「あああれね」とどなたもピンとくると思います。そういう方でないと私のブログまで足を運んだりはしないと思うから。
私が前から気になっているのは、ピアジェという方です。スイスの児童心理学者。
彼は児童心理の発達を研究するうちに、ブルバキと同じ構造を(ブルバキを知らずに)見出していた…とする論を、先ほどたまたま見つけて目を通してみました。
https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/66878/ktsa_02_b003.pdf
これがなかなか面白いのですよ。ブラウアーやラッセルの名前も出てくるの。
日本の算数教育がどういう風に時代とともに変わっていったのかを、歴代算数教科書を手掛けてきた出版社が、実際の教科書を見せながら手際よく見せてくれるページがあります。以下は「集合論」がどういう風に日本の小学校に導入されたのかについて。
昭和32年、ソ連が世界初の人工衛星「スプートニク」の打ち上げに成功したのをきっかけとして、欧米を中心に科学教育向上の気運が高まりました。
数学教育においては、現代数学の急速な発展を背景に、集合論や位相数学などをとりいれたカリキュラム・教材が研究されるようになりました。こうした一連の流れは、数学教育の現代化と呼ばれています。
現代化の流れを受けた昭和43年改訂の小学校学習指導要領は、集合が学習内容として取り入れられるともに、「数学的な考え方」が一層強調されたものとなりました。
大日本図書では、昭和46年に『小学校 新算数』を発行し、その後昭和49年、52年に改訂をおこなっています。
ここには名前がでてきませんが「新数学」(New math)ですねニューマス。ブルバキの体系を算数に導入して、数学のどんな分野にもハイウェイですいすい行き来できる子どもを子どものうちから鍛えよう鍛えないとソヴィエト連邦の科学力に負けてまうという当時のアメリカの焦りまるだしの数学教育改革。
私はいろいろ想像をかきたてられます。掛け算整順論争に深層にあるものについて、です。
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今回のエントリでは結論らしい結論は付けないで幕引きです。