微積の難問を、一目で解いてみせるアインシュタイン
いきなりですが、数学の問題です。
昨日たまたま見かけて、他の方がオーソドックスな数式変形によって正解を出しているのも目にしました。
それで合ってはいたのですが、もっと瞬殺的、直観的に解けないものだろうか…昨日ずっと悶々としていました。
夜中、寝静まる町のなかをふらふらと歩きまわりながら、星の見えない夜空を見上げては、考え続けました。
空…そのときふっと閃きました。この二つの式は、ふたごのロケットがそれぞれ垂直に上っていく様を描いたものだって。
順に説明します、下の式から。
$${\int _{1}^{x}\dfrac{e^{t}}{t}dt}$$
これは加速度の積分と見立てます。つまり速度です。ロケットがぐんぐん加速していく様を思い浮かべてください。
もうひとつの式、
$${\dfrac{e^{x}}{\sqrt{x}}}$$
これは速度ですね。もうひとつのロケットが、ぐんぐん速度を増していくイメージ。
ここで、高校の授業で習ったことを、振り返ってみましょう。
$${e^{x}}$$
これは微分しても積分しても、同じ姿のままであると習ったのを、思い出してください。
そして、この二つを見比べてみましょう。
$${\int _{1}^{x}e^{t}dt}$$ , $${e^{x}}$$
どちらのほうが大きいか、一目でわかると思います。積分しても $${e^{t}}$$ は $${e^{t}}$$ なので、x の値が十分大きければどちらも(ほぼ)同じものとなります。
この二つについてはどうでしょう。
$${\int _{1}^{x}\dfrac{e^{t}}{t}dt}$$ , $${\dfrac{e^{x}}{\sqrt{x}}}$$
右と左の分母を比べてみてください。これらは空気抵抗みたいなものと思えばいいのです。同じエンジン出力のロケットが、ペアでまっすぐ上昇、加速していくけれど、ロケット全体の形状に違いがあるぶん空気抵抗の大きさが異なり、そのため加速に違いがでてくるとイメージすればいいです。
どうでしょう皆さん? 右の分母のほうが、左のものより抵抗は小さめだなって、見てすぐピンとくると思います。
$${\int _{1}^{x}\dfrac{e^{t}}{t}dt}$$ , $${\dfrac{e^{x}}{\sqrt{x}}}$$
ということではですね、$${x\rightarrow \infty}$$ においては、右のロケットのほうが左のロケットをぐんぐん引き離しながら、空に上っていくだろうってことです。
この問題を瞬殺するコツは、$${e^{x}}$$ は速度とも加速度とも解釈できてしまうことに気づけるかどうか、です。
数学の問題を、物理的イメージにおきかえてささっと解いてしまう…アインシュタインはこういうのが得意だったそうです。
私の父も、そういうアタマに秀でていました。
[ところで今回初めて、数式を Note で出力してみました。うまくいって少し嬉しいです]