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ドクターマシリト、戦メリを語る

音楽を視覚的かつ言語的に語るのは、本当に難しいです。

まんがの技法を語る場合、実際の作品にベクトルを書き込んで「ほーらこういう風に鳥山くんはコマを構成して、こうやってバトルを盛り上げているんだぞ!」と視覚的言語的に語っていくことができます。

こちらより転載



実際「ドラゴンボール 視線誘導」で検索すると、こういうのがぎょうさん出てきます

多少まんが読みのセンスがある方ならこういう分析をすぐ真似できることもあって、この手の分析解説、ぎょうさん検索で見つかります。

しかし楽曲分析で、こういうものってあまり見かけません。

なぜかわかりますか?音楽にはこういう風にベクトルを描き加えたり、色分けしたりできないからですよ。

「楽譜に描けばいいじゃん」と思った方はどうか爪切りでおのれの大動脈を断ち切って反省してください。楽譜は音楽ではありません、音楽を奏でるためのデータです。

たとえばこのブログを皆さんがお読みになる際に、いちいち音読したりはしないと思います。

しかし音楽では、楽譜オンリーで「おお、なんという美しさだ、神の声を聴いているかのようではないか…」などと歓喜に打ち震えるなどということは(そういう訓練を受けた方か天性でそういう能力を備えた方ならともかく)ありえないわけです。



まんがの技法分析を真似て、楽譜にこういう風にあれこれ描きこみをしていっても…


ほとんどの方には「だからぁ?」で終わってしまうのです。

自分としては全力でわかりやすく説明したつもりなのですが ⇩



このところ更新していないので、久しぶりに読み返してみて「はあ、なんかすごいこと語ってるみたいだけど、なに言うてんのかわしアホやからわからへん」と素なリアクションをしている自分に気が付いて苦笑いしております。

いちおう実際の演奏動画、こういう風にところどころ挿んではいるのですが…


それでも解説わかりにくいんですよ。どうしてかなーと思っていたら、気づいた。

動画のなかにベクトルやマークの類を入れていないからだ!


これまで何度か、龍一教授そのひとによる「戦メリ」解説を、私は酷評してきました。今でもその考えに変わりはないのですが…


ご本人の説明がもごもごしてて分かりにくいのを気にしてか、この番組の制作チームは、ナレーションと動画を挿んであれこれ補足しています。

その補足動画、よくできています。楽譜における ♪ が、実際の演奏にそって色が変わったり、鍵盤が色付きで作動したりと、NHK教育番組の英知が詰まっていますA値。


こういう風に動画を作って、解説テキストに挿んでいったら、もっとわかりやすい楽曲分析ブログになってくれるのかなーと、今朝思ったのは内緒にしておきます。

「とっとと解説動画を撮っちゃえばいいじゃん」という向きもあるでしょうが私は自分の姿を動画で晒す趣味はないのと、そもそもその類の楽曲分析動画にろくなものがないことから、テキスト主体で動画や図がところどころ挿まる形式のものが、自分には一番向いているかなーと、愚考を開始しているところであります。



追記:「ドラゴンボール」の技法分析、検索するとほんまぎょうさん出てきて改めて驚かされますが、これってつまり鳥山先生が技術だけであのシリーズを十数年続けたってことの裏返しに思えますいかがでしょうマシリト博士?

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