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#19 お子さんとの関わりに不安をもたれている保護者が学ぶとよい、たった2つのこと

「親として、私が学ぶとよいことは何でしょうか?」
フリースクールを運営する中で、そのような保護者の声聞くことが増えてきました。

「その温かな想いを持っておられる時点で、既にもう大丈夫です!」と伝えたくもなるのですが、本日はお子さんとの関わりに不安をもたれている保護者に向けて「学ぶとよい、たった2つのこと」を厳選して文章にしてお届けしていきます。

今日ここから綴ることは、安易なテクニック論ではありません。
「そもそも教育とは何なのか?」「よい教育とは何なのか?」から紐解いた、保護者としてのよい在り方の北極星を示していきます。

もしかしたら少し難しいなと感じる内容もあるかもしれませんが、noteを最後まで読んでくださった方を対象にした無料Zoom相談会も実施していますので、安心をしてまずは読み進めてください。

このnoteを読み実践をすることで、あなたは子どもの望む進路 / 未来をよりよいカタチで応援・サポートできる存在になることができます。
あなたのご家族にとってのよいきっかけに、このnoteがなりますと心から嬉しく感じています。

では早速、本題に入っていきます。それではどうぞ!


① "よい”と確信をしていることの「確信条件」に向き合う。

いきなり難しく見える言葉が出てきたと思うのですが、ここが最も本質的な部分ですので、丁寧に説明をしていきます。

子どものある姿を見たとき、「これはよい姿だな / これは悪い姿だな」などと感じる瞬間はきっとありますよね。この「よい / 悪い と自分が感じる理由(確信条件)に向き合うことの大切さ」に、ここから一緒に目を向けていきましょう。

自身の「価値観」を自覚してみる。

以下、子どもの姿をランダムに挙げていきます。ご自身のお子さんがこれらの言動等をしていることと想像をして、「どちらかと言えば悪いと感じるな。」「悪いとは感じないな」「どちらかと言えばよいと感じるな」など、あなたの感じ方をチェックしてみてください。

・宿題をせずに学校に行っている。
・テストの点数がいつも平均点以下だ。
・学校に行っていない。
・隠れてスマホを学校に持っていて、先生から注意を受けていた。
・友達とけんかをして帰ってきた。
・ゲームなどが理由で昼夜逆転の生活をしている。
・親の目を盗んで課金してゲーム内アイテムを購入していた。
・家族との食事中もイヤホンをつけてゲーム配信を見ている。
・夢や志を持っている。
・夏休みの宿題は、いつも計画的に終わらせている。
・先生の話はいつも真面目に聞いている。
・親の言うことには、いつも従ってくれている。
・学びたいことがあって、海外の学校に行きたいと言っている。
・今の学校がしんどいから、転校をしたいと言っている。

いかがでしょうか?項目によって感じ方の違いはきっとありますよね。
次は少し趣旨を変え、あなた自身に矢印を向けて「どちらの考えのほうが自分に近いか」をチェックしてみてください。

・仕事は、家族や生活のためにするものだ。
↔仕事は、自己実現のためにするものだ。

・子育ては、自由を大切にして行うべきだ。
↔子育ては、規律を大切にして行うべきだ。

・恋愛は、結婚を前提としたような真面目なものがよい。
↔恋愛は、気軽に純粋に楽しむとよいものだ。

・人生は、計画性を大切にするべきだ。
↔人生は、その場の状況に合わせて柔軟に送っていくとよいものだ。

いかがでしたでしょうか?
もしこれまでの問いに家族や友人と一緒に答えたとしたら、答えがバラバラになることも想像できるようなものたちですよね。こうした問いに他者と一緒に向き合った時、きっと多くの方は「価値観が違うね」と感じたり考えたりすると思います。

…価値観。

この価値観という言葉を、私たちはきっとよく使っています。
では、「価値観」とはいったい何なんでしょうか?
「価値観」にいかに向き合っていくと、子育てにおいてよりよい関係性を子どもと築くことができるのでしょうか?

この問いの先に、子どもの望む進路 / 未来をよりよいカタチで応援・サポートできる存在になるためのヒントがあります。


すべては「あなたの、確信」である。

これまであなたに向き合っていただいた価値観を含め、あなたが「よいな」「悪いな」などと感じていること、あなたの世界の捉え方など、あらゆるあなたの認知はすべて「あなたの、確信」です。もっと言うと「あなたの、確信」でしかありません。この態度で子どもと関係性を築くことができるかどうかこそが、保護者としての大切な在り方の本質です。

少し分かりづらいと思うので、例も挙げながら説明をしていきます。

まず大前提、この世界に100%正しいという揺るぎないものはありません。
例えば「科学的に証明をされた」という言葉を聞いた時、もしかするとあなたは「100%正しいんだ」と感じるかもしれませんが、科学的とは反証可能性に開かれていることを意味しているのであり、疑う得るからこそ「科学的」だと言えるといった、ある方にとっては矛盾に聞こえるかもしれない要素を科学は含んでいます。

▽この辺りについて学びたい方は、ぜひ以下の書籍をお読みください。

つまりあなたは、100%なんてないこの世界の中でなぜか確信をしていることをたくさん持っているんです。

・子どもは勉強をしたほうがいい。
・学校には、行くべきだ。
・学校には行っていなくても、最低限の勉強はしたほうがいい。
・友達は少ないよりは多いほうがいい。
・高校までは出たほうがいい。
・夢は持っていないよりは持っているほうがいい。

などなど、無意識的にもあなたは様々な「確信」を持っています。
100%正しいことをあなたは知っているのではなく、100%正しいなんてないこの世界で、あくまであなたが「確信」していることを持っているんです。

大切なことなので何度も言います。

あらゆるあなたの価値観は、すべて「あなたの、確信」です。
「あなたの、確信」でしかありません。

そのことに気が付くとことこそが、子どもとよいコミュニケーションを取っていくための第一歩です。


確信を持ち寄る、子どもとのコミュニケーション

あらゆる価値観は自分の確信でしかないと気が付いた時、あなたは子どもと一緒にお互いの確信を持ち寄って対話をすることができるようになります。

自分の考えが自身の確信でしかないという姿勢に立てば、自身の価値観や意見を子どもに一方的に押し付けようなんて想いはなくなりますよね。

もしこれまでのあなたの人生の中で子どもとのコミュニケーションが上手くいかないと感じた瞬間があったとしたら、その際にきっとあなたは「自身の確信を100%正しいものだと思い込んで対話をしていた」のでしょう。

「これはあなたのため」だという、私の考えのほうが正しい、私のほうが聡明だという一種の傲慢な考えのもと、もはや対話すらできていなかったかもしれません。

ですが、あらゆる価値観は自分の確信でしかないと気が付いたあなたは、きっと今日から変わることができます。あなたは、自身の価値観が1%でも変わるかもしれないという姿勢のもと、子どもと対話をできる存在でいられるはずです。

自身の考えは100%正しいものでは決してない。

この当たり前のことを、私たちは子どもと向き合うときについつい忘れてしまいます。

自身が確信をしているように、子どもにも確信をしていることがあります。あなたの子どもはどんな確信を持っているのでしょうか?その確信はどこからきているのでしょうか?

「宿題なんてしなくていいんだ!」
「学校なんて行かなくていいんだ。」

このような子どもの確信の裏にある欲求に、きっと今のあなたなら目を向けられるはずです。

自身の確信、そして子どもの確信に目を向け、自身の確信を押し付けるのではなく、自身の確信が変わるかもしれないという姿勢のもとで対話を行うことができる。

この姿こそ、保護者としての大切な姿です。


なぜ、あなたはそう確信しているのか。確信条件に迫る。

ではここから、あなたの確信1つ1つの根源に向き合う方法について記していきます。確信条件に向き合う方法を習得することで、より柔らかく自分を保ち、子どもの意見を尊重しながら対話をすることができるようになります。

確信条件に迫る方は、以下です。

【確信条件に迫る方法】
「なぜ?」「なぜそれをよいといえるのか?」を深く問い続けていく。

【手順】
STEP1)
・向き合いたい自身の確信を1つ書き出す。

STEP2 )
・なぜその確信を持ち始めたのか(きっかけの深堀り)
・なぜその確信をよいもの / 正しいものと今この瞬間感じているのか(よいと確信している理由の深堀り) : できるだけ深くまで行う。

の2軸での内省を行い、書き出す。

STEP3 )
・STEP2で挙げた内容に関して、本当にその確信は正しいのか?と問いを立てて調べたり、考えたりしてみる。


>>>STEP1) 向き合いたい自身の確信を1つ書き出す。

このSTEP1は単純明快ですね。
あなたの向き合いたい確信(価値観)を自由に選んでください。

深掘る確信をいきなり1つ書くのではなく、最初はあらゆる自身の確信を書き出してみることもおすすめです。子どもに対しての確信 / 保護者としての確信など、様々な切り口でぜひ考えてみてください。

ここでは例として、いくつか確信の例を挙げていきます。
もしあなたにとって向き合いたいテーマがありましたら、ぜひそちらについても内省をしてみてください。

・親は、子どもの人生に責任も持つべきだ。
・親には、子どもが勉強をしていなかったら、勉強をさせる責任がある。
・勉強をした子どものほうが、将来いい人生を歩んでいくことができる。
・やりたくないことをやることを、子どもに学ばせることは大切だ。
・好きなことだけでは、生きていけない。
・ゲームは、子どもにとって悪だ。
・不登校だと、将来幸せになれない。
・学校すらも頑張っていけない人は、将来何をしても頑張れない。
・大学受験はするべきだ。


>>>STEP2) なぜその確信を持ち始めたのか(きっかけの深堀り)と、なぜその確信をよいもの / 正しいものと今この瞬間感じているのか(よいと確信している理由の深堀り)について内省を始める。

STEP1で選んだ1つの確信をもとに、STEP2に移っていきましょう。
ここでは仮に、私が選んだ「不登校だと、将来幸せになれない。」を向き合いたい確信として言葉を綴っていきます。

設定した確信
「不登校だと、将来幸せになれない。」


≪なぜその確信を持ち始めたのか(きっかけの深堀り)≫

この確信をもったきっかけはいつなのでしょうか?
自分が学校に行っていた時代、不登校は「登校拒否」と呼ばれていてイメージが悪かったからなのかもしれません。学校にいくことが当たり前の環境の中で育ってきたことで、学校にいかない選択をした先の選択肢を全く想像できない…となっているからかもしれません。
これらの不安からYouTubeを見始めて、その動画内で語られていた内容から「不登校だと、将来幸せになれない。」とより感じ始めたのかもしれません。友人に相談をした時に、学校に行っていないなんてありえないって反応をされたからなのかもしれません。

このように、なぜその確信を持ち始めたのか、またその確信を強化するような瞬間があったとしたらいつなのかを、深掘ってみましょう。
確信形成の根源に近づいていくことで、自身の確信についてよりメタ認知をすることができるようになります。


≪なぜその確信をよいもの / 正しいものと今この瞬間感じているのか(よいと確信している理由の深堀り)≫

「不登校だと、将来幸せになれない。」と自分はなぜ確信してしまっているのか、数珠繋ぎのように深掘っていきます。

不登校だと、将来望む職につけないから幸せにはなれない。

将来望む職につけないと、楽しく仕事ができないから幸せになれない。

楽しく仕事ができないと、人生の半分がしんどい時間だから幸せとは言えない

~~~~~~~~(より深堀り可)

このように深堀りをしていくと、
不登校だと、将来望む職につけなくて、人生の半分がしんどい時間になってしまうから幸せになれないと、自分は確信をしている。
ということがわかってきます。

ここまでできたら、次はSTEP3です。


>>>STEP3 )STEP2で挙げた内容に関して、本当にその確信は正しいのか?と問いを立てて調べたり、考えたりしてみる。

STEP2で挙げたことを、改めて見返してみましょう。
「これ、そうとはいえないんじゃない?」と、自分でツッコミを入れられるものも、もしかしたらあるのではないでしょうか?

例えばこのnoteで挙げた例では、以下のように確信条件の深堀りを行いました。

不登校だと、将来望む職につけないから幸せにはなれない。

将来望む職につけないと、楽しく仕事ができないから幸せになれない。

楽しく仕事ができないと、人生の半分がしんどい時間だから幸せとは言えない

~~~~~~~~(より深堀り可)

…ツッコミどころ満載ですよね。
最初の「不登校 → 将来望む職につけない」というところから、論理が怪しすぎます。この怪しさに気が付けると、「不登校 → 将来望む職につけない」というのは本当なのか?という問いを自分で立て、調べていくこともできます。そうすると、不登校だからと言って、将来望む職につけないという訳ではないことが見えてきます。

・不登校から、高卒認定試験を経て望む進路を選んだ人のエピソード
・フリースクール / 通信制高校 / 通信制大学という、魅力的な進路のカタチ
・そもそもの、就職以外の選択肢

などなど、調べれば調べるほど、あなたの確信を揺さぶる様々な情報にきっとあなたは出会うことができます。

ーーー
▽私たちのフリースクール・通信制高校でも、生徒の未来は無限に開かれています。無花果の生徒の様子も、よろしければぜひご覧ください。

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ここまで「あなたが確信をしていることの確信条件に迫る方法」について一緒に見てきました。

ぜひこれらのSTEPを大切にし、あなたの確信1つ1つの確信条件に向き合う姿勢を大切にし続けてください。あなたが柔らかく自身の確信を捉えられるようになることは、子どもとのよりよいコミュニケーションに直結をします。


以上が、お子さんとの関わりに不安もたれている保護者に向けて「学ぶとよい、たった2つのこと」の1つ目です。


②"よい教育”の定義について理解し、生かす。

自身の確信に向き合えるようになった次は、「そもそもよい教育とは何なのか?」という問いを出発点に一緒に学びを深めていきましょう。

"よい教育”について理解を深めることで、この"よい教育”の定義から自身の確信をつくり、よりよいカタチで子どもと向き合っていくことができるようになります。

教育・子育てにおいて、「よい子育て」「よい教育」のイメージは千差万別です。ひとたび本屋やWEBページを覗いたりすると、「科学的に正しい、子育て方法 / 教育方法」などといった言葉が溢れています。

…言葉を選ばずにいうと、それらの言葉や情報は全て「セールスのための言葉たち」です。あなたの不安を煽るような言葉が世間には広がっているかもしれませんが、それらを真に受ける必要は全くありません。ここだけを押さえておけるとよいという「"よい教育”の本質・定義」を本日はお伝えします。


教育の本質は、「自由」と「自由の相互承認」

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2,841字

■なにをするコミュニティか なかとうひろとが、学校をつくりながら、“よい教育”とは何か?を哲学の底に…

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