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どうしてわすれてしまったんだろう。

大人になると、どうしても思い出せないことや忘れてしまったことがあると思う。
家族にたまに会って話す会話に、齟齬が生じる時も多々ある。

なんだかなぁ、年かなぁ、なんて思っていたら、こんなゲームに出会った。



夜廻三。


わたしは前作の深夜廻、前々作の夜廻をプレイしている。
いつも辛いオープニングからスタートし、不思議な世界に迷い込んでしまう、あのゲーム。

ほんとうはもう深夜廻で終わりだった、という話を聞いていたが、それにしてはものすごく良作だった。


夜廻本来の世界観を壊さず、新たなゲームシステムを導入。前作よりもわかりやすく、進めやすいゲームになっていたと感じている。

キャラメイクできるようになったのもよい。


都市伝説や神様にまつわる話、そして現代にはびこる問題をすくいあげた夜廻。もっと人気になっていいゲームだと思う……。


今回は、「忘れてしまった記憶をたどる」というストーリー。

サブタイトルは、「まぶたの裏で、君が死ぬ。」


ドキッとしてしまう人もいるだろう。少なくとも、わたしはドキッとした。
どうして、そんな不穏なサブタイトルなんだろう、って。


ちゃんと、サブタイトルの伏線は回収される。すべてを終えた今、余韻がすごすぎてしばらく呆然としてしまうほどだった。


4分の3拍子で奏でられる切ないメロディーは、このゲームの不思議な感じや儚さをはらんでいる。
けしてハッピーエンドとは言い切れない結末に、ただただ、呆然とするしかなかった。


大きくなると、忘れてしまう記憶。そして、思い出したくない記憶。


人は、直視できない場面に遭遇すると、記憶を抹消、あるいは都合の良いように勝手に改ざんしてしまう。
実際、わたしも過去の記憶がほとんどない。


そんな人のシステムを、うまくストーリーに落とし込んだ作品だった。
途中の記憶を思い出すと、ほんとうに心が痛くなる。


深夜の町を徘徊しながら、記憶を辿る。


ホラーゲームの中ではそれほどグロ描写があるわけでもなく、グラフィックも可愛らしくてあまり手に取る人が多くないと感じているが、そこで躊躇するのはとてももったいない。

ひりつくような恐怖や手に汗握るアクション、そして、考えさせられる切ないストーリー。もっと評価されるべき作品だと感じている。


今からでも遅くはない。主人公が無くした思い出を探しに、夜の街を歩いてみるのはいかがだろうか?




※追記:本当は4月の発売日に届いてプレイ開始してましたが、いろいろあって二週目の巡回が遅れていました…。一週目を終えた後に書きなぐった文もあるので、当時の感動がありありと過去の自分から伝わってきました。
ぜひ、連休のお供にいかがでしょうか。

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