心のゆとりを保つために、わたしはまたエビと暮らすことにした。
心のゆとりがないと、生き物と一緒に暮らすことはできない。
そう実感した冬でした。
わたしたちが一緒に暮らしていたエビ達の話を知らない方はこちらから↓
この冬は、ありとあらゆることが起き、正直亡くなった子たちのショックも大きかったので、なかなか次の子を、という気持ちになれなかったというのもあります。
引っ越しの影響か、白メダカが攻撃的な子だったからか。
うまくいっていたと思っていたエビとの暮らしは、あっけなく音を建てて壊れていきました。
一日ごとに、エビが☆になっていく日々。
引っ越しのストレスをエビにも与えてしまったのか、それとも白メダカがつついていじめていたのが原因だったのかもわからず、白メダカだけになってしまった水槽のメンテナンスもままならない日々が続いていきました。
いつもなら、「リセットしてまたお迎えしよう!」と前向きな気持ちになれたはずが、わたしも彼も、その時はもう限界だったのです。
「この子がだめだったら、水槽はやめにしよう」
そんなことを言うようになってしまいました。
残された白メダカの水槽は部屋の隅に追いやられ。
静かに、静かに生きて、毎日の食事の時間だけわたしたちと触れ合うことができたのでした。
冬眠してしまったわたしたちの心を、優しく溶かすような春の訪れとともに、たまたま引っ越し先の近くにアクアリウムショップを見つけました。
何気なく「こんな店あったよ」と彼にLINEすると、あの時のように彼は好奇心をあらわにして返信してきました。
「週末、見に行こうよ!」
こうして、わたしたちの水槽はまた活気を取り戻すような動きを見せ始めたのです。
待ちに待った週末。初めて訪れたアクアリウムショップは、行きつけのところよりも広く、水槽用品や生体も多かったので、心が踊るのを感じました。
湿気で少しムッとする水槽の列をゆっくりゆっくり眺め、一通り店内を見て車に乗り込むと、彼は意気揚々とわたしにこう告げます。
「また、ちゃんとエビと暮らそう。メダカも増やそう」
わたしの心も、もう決まっていました。
もう、大丈夫だよね。
エビたちを愛でるほどの、心と時間の余裕が、わたしたちに戻っていたのでした。
そして、待ちに待った次の週末。
先週帰宅した時に水換えをし、エビを迎えられるように立ち上げた水槽には、たくさんの仲間が増えました。
懸念していた白メダカですが、ずっと一人で暮らしていたからか前よりも攻撃的になっていたので、かわいそうですが隔離水槽に。
エビもメダカも構わず追い回すので、さすがに他の子がストレスだろうと苦渋の決断でした。
新しくお迎えしたのは、黒メダカとルリーシュリンプです。
黒メダカ(黒豆メダカ)はどうやらオス・メスのペアで入れてくれたみたいで、二人仲良く泳いでいるのがとても愛らしいです。
水流がない鉢で飼育されていたので水流が心配でしたが、怯えることはなく水流に向かって泳ぎ、流されと楽しそうに遊んでいます。
また、今回のお店ではミナミヌマエビがいなかったのと、家にある砂がシュリンプ用の砂で、ミナミヌマエビには向かないとのことだったので、シュリンプの中から選ぶことに。
たくさんの種類があり悩みましたが、飼いやすいとされているルリーシュリンプ、彼がかわいいとゴリ押しなのもあり、連れて帰りました。
(10匹一緒に帰ったのですが、帰る途中に1匹☆になってしまいましたが…
)
経験上、1週間・2週間・そして一ヶ月といった山がありますので、その山を越えられたらしばらくは安心できそうです。
彼らが必死に苔を食む姿や、優雅に泳ぐ姿を見ていると、心が穏やかになっていくのを感じます。
丁寧に世話をする時間を持つということは、心のゆとりの表れだな、と強く実感しました。
わたしたちの暮らしに彩りを添えてくれる彼らと、また仲良く暮らしていこうと思います。