言葉ひとつで地獄に落とされる。言葉ひとつで救われる。
医療の現場…に限ったことではないのですが、どの場面でも相手との会話って非常に重要になります。
その会話でもどんな言葉を使うのかで、全然意味が変わってきますからね。
今日はちょっとその「言葉」ってものを考えてしまった一日でした。
乱文ですのでご了承ください。
言葉の力は恐ろしい
人の使う言葉って非常に力があると思ってます。言霊…なんて言葉で表現されるのもうなづけるんです。
ちょっと事例として考えてみます。
子供への影響
子供の世界の基盤って、基本親によるものになります。まず最初にかかわる社会が親子関係ですからね。だからこそ、親が子供に対して使う言葉って、その後の人格形成や心理状態に大きな影響を与えるんです。
暴力的な言葉や否定的な言葉を繰り返すことで、子供の世界の基準はその言葉の通りになってしまいます。そうなるとやっぱり心理的な不安定さ、自己肯定感の低下…につながってしまいます。
もちろんそれとは逆にポジティブな言葉、安心できるような言葉を使うことで健全な心をつくることができるんです。
プラシーボ効果
医学的には偽薬(プラシーボ)を「効く薬」として説明されただけで実際に症状が改善する例があります。これは医師の言葉が患者の脳に影響を与えた結果であり、言葉の力が身体的変化さえも引き起こすことを示しています。
そう考えると、権威を持つ人が使う言葉は、だれかを救う魔法にすらなるってことです。
そういう意味では、だれかを救いたいと願う人は、権威を持てるような努力をするってのもアリなのかもしれません。
ネガティブな言葉による心理的ダメージ
ネガティブな言葉は、人の感情や行動に深刻な影響を及ぼします。たとえば、「お前には無理だ」といった否定的な発言は相手の自信を奪い、挑戦する意欲を失わせる可能性があります。このような言葉は、職場や家庭、人間関係において人々の関係性や心理状態を悪化させる要因となってしまいます。
ちなみにこの心理的なダメージは自分にも受けてしまうようです。脳は一人称を区別できないという理由から、誰かに放ったネガティブな言葉ですら、自分が言われているように感じてしまうんですね。つまり、悪口をいうだけで自分の脳はストレスに感じてしまうんです。
言霊の実験
言霊(ことだま)の力を示す実験では、ポジティブな言葉をかけた対象(たとえば植物や水)とネガティブな言葉をかけた対象で明らかな違いが観察された…と聞きます。ポジティブな言葉は成長や良い変化を促進し、一方でネガティブな言葉は逆効果となったようですね。ちなみに水の場合は凍らせたあとの結晶の形が大きく変わったようです。
こういう結果からも、日常的に使う言葉の選び方が重要であることがわかります。
ただ、この言葉にもいかに感情を伴わせるか?が重要だなって最近は思ってます。
言葉による行動変容
「あなたならできる」といった励ましの言葉は、人の行動意欲を高め、成功体験につながることがあります。
一方、「どうせ失敗する」という否定的な暗示は、その人の行動を抑制し、本当に失敗する結果を招くことがあります。
ちなみにこの現象は「自己成就予言」として知られています。
これはリハビリの臨床でもよく目の当たりにします。セラピストがかかわる目的は"判断すること"ではありません。"生活を良くすること"にあります。あくまで検査や評価による判断は"手段"なんです。
そう考えれば、リハビリの時の声掛けの仕方だって変わってくると思うんです。
医療の目的は?
医療の目的ってなんなんでしょうね?
CTやMRIをみて、検査をして、診断して…それが医療の目的?
インフォームドコンセントという名目で検査結果を伝え、方針を決定し、伝える…。
あれ?それって別に医療従事者じゃなくてもよくない?
たぶん、これってもうAIが代わりにしてくれる時代がきます。
なんなら今以上に正確に。
だったら医療従事者はなにができるんでしょう?
なにを目的として、なにを手段として患者さんと向き合うんでしょうか?
少なくとも、今できることって目の前の苦しんでいる人を一歩でも前に進めるようにしてあげることなんだと思うんです。
それは特別な技術じゃなくてもできること。
普段使ってる言葉でもできること。
それなのに多くの医療従事者が使ってる患者さんへの言葉は?
それはどんな影響を与えるかまで考えているのか?
言葉ひとつで地獄にも落ちます。
言葉ひとつで地獄から救われることもあります。
ひとつの言葉は、ずっと苦しむ呪いにもなるんです。
でもひとつの言葉で、ずっと救われる魔法にもなるんです。
だったら自分は、だれかを救える魔法を使いたいなって思いました。