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【韓国論文】韓国語を翻訳する時に起こる問題点


1.人間の力が必要な外国語翻訳

全部の外国語が、日本語と1対1で機械的に翻訳できるとは限らないように、翻訳作業をする時は、ある程度、人間が原文を解釈しながら言葉を探す作業が必要になります。
この他にも、文化の違いによって、どうしても該当する言葉が存在しないこともあります。

今回は、このような翻訳者に立ちはだかる壁が何なのか、そして翻訳者を育てていく時に何が必要なのか調査した論文を紹介します。

共有する論文:イ・ヘスン「外国人による韓国文学翻訳の考察―ロシア語文学翻訳実習を中心に」


2.韓国語をロシア語に翻訳する時に衝突する問題

この論文は、外国人が韓国文学を翻訳する際にどのような問題が生じて、それを克服するのかを具体的な実習過程を中心に調べました。
韓国文学翻訳院ロシア語翻訳課程に通っているロシア語圏の学生との授業資料をもとに分析されています。

この研究によって、ロシア語を母国語にする受講生たちが韓国文学を翻訳する過程と結果を比較、および分析することで、韓国文学の外国語翻訳活性化において中心軸的役割ができる翻訳家養成のために重点的に教育するべき点は何なのかが明らかになることが期待されます。

19世紀後半から世界的な韓国文学の翻訳は、それぞれの国ごとに様々な様子を見せています。
しかし、政府によるの支援や翻訳批評の活性化、翻訳家に関連した問題が解決されれば、韓国文学翻訳は異なる発展の転機を作ることができるのではないかと考えられます。

外国人が韓国文学を母国語に翻訳する時に提起されうる問題のうちのひとつが、韓国語と韓国文化、文学、情緒などをきちんと共有できる力が必要な点です。
授業を受ける学生は、大学で韓国語、韓国文化を専攻したり民族的基盤が韓国になるため、基本的な韓国語のコミュニケーション能力は問題が無いといえるでしょう。

授業を進めているうちに、受講生に共通的に見られた翻訳の問題点や討論の時間に積極的に意見交換がされた点を整理すると、以下の6つになります。

①社会、文化的背景
②言語構造的違い
③呼称
④歴史的事実
⑤慣用的表現
⑥文体的要因

pp.205-216

論文の筆者は、外国人の翻訳家養成の重要性を強調した上で、以下のように主張しました。

長期的な観点で、持続的な国家次元の支援が行われるべきで、効率的に体系化された教育プログラムを至急用意する必要がある。翻訳過程で受講生が難しがったり、重点的に討論された6つの要因と一緒に、外国人の翻訳能力を実質的に向上させられる教育システム構築が今後の課題になるだろう。

p.217


3.機械が対応できない翻訳作業

論文ではロシア語翻訳する時の話でしたが、日本語に翻訳する時も同様のことがいえると思います。
特に呼称の問題は、私の過去の別の記事からでも分かるように、そのまま訳しづらいだけでなく、近い表現があったとしても日本語の感覚で見た時に状況と合っていないなどを考慮して翻訳されます。

技術が発展して、カメラで原文にを撮影するだけで翻訳文がでてきたり、自然さを重視した翻訳機も登場しています。
しかしながら、言葉は単純に直接意味を伝達するだけでなく、婉曲的に表現されたり共通認識からいくつかの単語が省略された表現もあります。
小説などの芸術作品では、言葉から連想するイメージが言語ごとに異なることもあります。
このような正解がない部分や両方の言語に対した専門知識が必要な翻訳は、人間の力が必要です。
むしろ、簡単な翻訳は機械でできるようになった分、今回提示された問題に対して深い知識と思考ができる翻訳者が、一層求められているのではないかと思います。


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論文

イ・ヘスン「外国人による韓国文学翻訳の考察―ロシア語文学翻訳実習を中心に」『通訳と翻訳』第12巻1号、韓国通訳翻訳学会、2010年、pp.199-219

이혜승 「외국인에 의한 한국 문학번역 고찰 - 러시아어 문학 번역 실습을 중심으로 」『통역과 번역』 제12권 1호 한국통역번역학회  2010. pp.199-219



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