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いきなりたくさん! 非電化工房住み込み弟子の記録 4/17~4/30

こんにちは。
なんだか最近、ぼーっとして。
4月から始まった自給自足修行ももう9月。このままだと、あっという間に半年経っちゃうぞ。
仕事を辞めて、一年間の無給暮らし。
何のために来たんだろう。正直理由はないんです。実は、直感で来たから(笑)。
まあ、理由なんて後付けです。
なので、何のために来たのかより、今ここで僕は、何を学ぼうとしてるのか、の方が一歩進めると思うのだけど。

ただ、この記録には空白の期間があります。4, 5, 6, 7月です。そこで何を学んだかを書かないことには、何を学ぼうとしてるかなんて分かりっこない。
そこで、少しずつ思い起こしていこうと思います。

今回は4月分です。


非電化工房に来た初日。近くで野草を取り、かき揚げを作りました。足元に食べられるものが生えている、そのことに驚いたのを覚えています。なんだか安心しました。もちろん、毒のある植物には気をつけなければいけませんが。

右の皿と上の皿がかき揚げ。そして右斜め上は大量の天かす。

取った野草は、つくし、ヨモギ、カラスノエンドウです。名前を覚えるの苦手ですが、自分で取って食べると覚えているのですね。
取った時期は4月の中旬ですが、つくしはもう旬が終わろうとしていて、まとまっている粒が開いてきていました。キュッとしまったやつがおいしいのです。
かき揚げのコツは、トングで油に放つとき、数秒掴んだままにするところです。

調理をした後に残るヘタや皮の部分、腐って食べれなくなってしまったものなどは、コンポストに持っていきます。

コンポスト

コツは、被せる土は覆うだけでいいということ。分厚く盛らなくていいんです。微生物が分解してくれます。

木の植え替えをしました。

スコップを使って穴を掘るのですが、ここでスコップの使い方です。
掘り方には3種類。一つ目は、片足で頭の部分を踏んで掘る方法。二つ目は、両足で踏んで掘る方法(ジャンプすればかなり深く入ります)。三つ目は、膝をついて、手早く掘っていく方法です。
コツは、地面に入ったら、テコの原理を使ってクイッと持ち手を押してあげること。そしたら腕の力を必要以上に使わなくて済みます。

身体全身を動かす日々が始まります。これまでパソコンばっかりで、手首だけしか動かしてこなかった自分。最初の方は本当に疲れました。足が動かない(笑)。
そんな体を癒してくれたのが、五右衛門風呂です。

五右衛門風呂

家庭の風呂とは違い、やっぱり芯まで温まります。鍋から発せられる遠赤外線のおかげ?
構造は簡単。風呂は鉄のおけで、底の外側から、火を焚き付ければOKです。
コツは、燃えやすい木材を選定するということ。燃えにくいものだと数が多くなり、空気の温度が下がってしまい、燃えにくくなります。

汚れた服は洗濯です。合宿所に、二層式洗濯機がありました。

二層式洗濯機。左が洗濯、右が脱水。

使いはじめる前は、不安だらけ…洗濯と脱水は一緒にやってくれるものだと思ってた…洗剤を入れる場所がない。え、洗剤どうやって使うんだろう…。
先生に聞きました。そうしたら、下手に洗剤(合成洗剤)を使わなくてよく、基本の汚れは水洗いで取れるとのこと。それでも取れないなら、重曹を入れる。
使い方は、左に洗濯物を入れて、水を入れて、回すだけ。脱水の方も、入れて、回すだけ。
コツは、洗濯する量を、脱水できる量に合わせること。写真を見るとわかる通り、脱水の方が小さいです。なので、それに合わせます。そしたら、洗濯したものを放置せずスムーズです。

自給自足技術を学びながら、イベントに向けた準備も始まります。
ワークショップでバンブーステージ建設です。参加者の方と一緒に作るのです。

僕たちは、その建設の準備。土台まで作ってしまいます。

近くの竹林で切りに行きました。

竹を切るときは、竹の倒れてくる方向に人がいないか確認します。一番大事なことです。次に大事なのは、他の竹に引っかからないかどうかです。

このとき、ノコギリの使い方を学びます。
そもそもノコギリには、竹専用のノコギリがあります。よく知っている太めのノコギリではなく、スリムです。
ノコギリは引いて切ります。繊維が切れている感覚を確かめる。切り始めは、その感覚を知るためにゆっくり切っていく。切り終わりは、バリが残らないように切る(方法:ゆっくり切る、角度をつける、裏側から切る)。
と、いろいろ言いましたが、一番のコツは、スーッと滑る感覚があるかどうか。本当は、力を込める必要はないのです。先生は、持ち手の端っこをつまんで切ってました。それくらいの力です。

続いて、バンブーステージの土台を立てます。
まず、立てる場所を考えます。大事な一つ目は、雨風の被害を受けないかどうかです。雨が降ってぬかるむようであれば、基礎がズレて大変です。斜面なら雨は流れていきますし、平面でも、砂利を敷くと大丈夫です。風も強く吹くところじゃない場所がいいですね。大事な二つ目は、景観。その場所に立つと、バックや周りとの見え方がどうなるのかをイメージします。
場所が決まれば、縄張りという作業をします。

縄張りとは、建物の大体の位置を決める作業です。実際の大きさに合わせて杭を打ち、紐でぐるっと結びます。結び方は、巻き結び。

巻き結び。

巻き結びとは、片方の紐がもう片方の中に入って、引っ張っても締まる状態になることです。コツは、一番引っ張られるところで紐をもう片方の下に入れることです。
縄張りで、端と端で巻き結びするときは、一人だと紐が緩んで外れてしまうので、もう一人がいて、ちゃんと押さえてもらうことが必要です。

次に、砂利を敷きます。砂利を敷くと、雨が降っても、砂粒一つ一つが水を分散させるので、一箇所に溜まりません。
その後、タンパーという、砂利を平らにする道具を使います。使い方は、持って下に落とすだけ。コツは、たたき加減を一定に保つことです。そうしないと凹みが生まれてしまいます。

そうしたら次に、水盛という作業で、水平を測ります。端と端をチューブで結ぶようにします。この時、チューブには水が入っていて、基準とする端の高さに合わせ、もう片方の水位を動かし、基準の方が指定の高さで一定になった時、水平になっていると判断します。コツは、合わせる方が本当にゆっくり動かすということ。雑に動かしちゃうと、基準の水がすぐ揺れてしまいます。

水盛りで使ったチューブ。

水盛の後は、遣り方という作業。建物の位置を正確に決めるためのもので、縄張りより50cm外側に立てます。

大きな四角形ができ、各辺になっている板は水貫(みずぬき)と言います。この水貫に、水糸という頑丈な糸を巻き付け、実際のステージサイズを作ります。注意したいのは、水糸を互いの辺で張っていくとき、既に結んだ糸を新しい糸が突っ張り外してしまうことがあるところ。

次に、油抜きをした竹を、打ち込みます。カケヤです。その後、水糸の高さに合わせ、チェーンソーで切ります。

次に、切った竹に長い竹を抱き合わせます。バンブーステージの床を柱と柱で挟むとなると、竹は丸いので滑り落ちてしまう。だから抱き合わせして、片方は頑張って床を支えてもらう方法です。

抱き合わせの留め方は、番線縛りです。番線は、雨で濡れても錆びないステンレスです。まず竹をぐるっとして合わさったところで数回巻きます。そしたら、出てる二本を曲線にして、ドライバーが引っ掛かるようにする。引っ掛かれば、ドライバーでぐるぐる回します。これでOK。コツは、回しているとき、どの部分に力がこもっているかを常に確認することです。そうしないと、しっかり締まりません。

左の図がぐるっと巻いて、交わるところでさらに巻いて。
右の図が、手前に出てきた二本をドライバーが引っかかるよう曲げて、そのまま差し込んで回していく。


そうして土台ができたところで、翌日ワークショップ。もうギリギリ(笑)。何とか間に合いました。

ワークショップ後の竹ステージ。

4月はもう、たくさん!いきなりたくさん!
使ったことない生活道具、同期の弟子との人間関係、次々に習う技術。
この非電化工房にいるということ自体に、実感が湧いておらず、一方で、すごいところに来たという興奮も混じっていました。




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