刺草ノ断想

刺草ノ断想 file:3

Twitterアカウント タケ-刺草-(@Take_irakusa )にて #全読 及び #甘い言の葉 #一行だっていいんだ詩 などの参加作品に引用RTを付け書かせて頂いた感想文をこちらで随時まとめていきます。

-1-

断片的なイメージがスクリーンに影を落としている。心に染みた色は黒と青。儚げな憧憬、あやまち…。後悔の波が静かに、そして確かに何かを蝕んでいる。これは、届かない心と体の歌なのかな。「辿り着かないで」は同時に「見つけて欲しい」と願っている悲鳴のようにも感じました。


-2-

フラッシュバックのごとく展開されていく虚無的な言葉選びがとてもクール。冷静に自己分析をする視点は、鏡に映る己を見定めているようで、明滅を繰り返しながら遠くの海へと消え入る光を、然と確かめているようにも感じる。嘲りは、内から漏れた他者へのストレスの現れなのでしょうか。


-3-

もがき苦しみながら得た息継ぎの仕方は、海中での「君」との呼吸の共有。君が生み出す優しい言葉の泡でのみ、自分を保ちつつ前へ踏み出せる「私」一寸先も見えない暗い海の中で感じる温もり。海の底で生きることの苦しみ、深い愛情がそれぞれ巧みに混ざりあった素敵な作品ですね。


-4-

連続して打たれた「雪」が透徹性のある銀世界の視界を、だんだんと拡げてくれているように感じます。世界を(まぼろし)と名指す事で、より幻想的な純度の高い銀(白)である事も教えてくれている。


-5-

狐のように飄々とした面持ち。作り笑い(仮面)の下で滲む感情。光が照らす面(おもて)と裏の心の乾き、渇望と隠しきれない潤む感情を思わせます。


-6-

スタンプを符丁と言い換えてみても面白いのかも知れません。仲間だけに通用する言葉や印。合言葉は、姿形を変えた代弁者の様にも感じますね。


-7-

作中の陰翳(いんえい)は、無駄(俗世)を省き完成された「美」と言うよりは、至らぬ点も認め、活かし、慈しむ末に影の内に咲いた「光」のように感じました。質素で静かな空気が内包している光と影の息遣いを考えさせられる作品ですね。


-8-

ざらついた夏が見える。映された世界は夢の残り滓が漂う晩夏であり、夏の「死」いたむ挽歌のようにも感じる。読者によって様変わりする作品なのだろう。


-9-

動く人形、雛形から象られたヒトと言う容れ物。風の涙、風に混ざり、肌を撫でた小雨かな。生きている価値、精神的支柱とは、他人任せな人の波なのかな。難しいね、でも楽しい詩だ


-10-

創作には常に上質で綺麗な赤身を残すトリミング作業が生じる。そして、余分な脂肪分を好む人がいれば、極力ヘルシーな軽さを求める人がいる。一番最初に注文を伺う客(自分)は何を所望しているか。自分に正直に仕上げる大切さ、難しさが伝わってきました。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?