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宇宙杯短歌|詩人の処刑
聖マリヤにミモザ捧げし少年は惨殺さるる宿命識らず
サンタマリヤにミモザささげししょうねんはざんさつさるるしゅくめいしらず
棄てられし砂上の詩人の肉叢は薔薇星雲の迸るごと
すてられしさじょうのしじんのししむらはバラせいうんのほとばしるごと
パゾリーニよ若し暗殺を逃れたればソドムの市より何処を目指すか
パゾリーニよもしあんさつをのがれたればソドムのいちよりいずこをめざすか
短歌なら春日井建。『血や肉感に属する残酷な言葉』に、心惹かれていました。未成年の頃のこと。以降、短歌から遠ざかり、イメージするのは今だに血まみれの情景。
今回、初めて短歌を作ろうと選んだテーマは、イタリアの映画監督パゾリーニの死です。その惨殺された姿を美しく描くこと。俳句と同じく、物知らず故の怖いものなしで、好きな言葉を並べました。
春の企画なのに、冬に属する「ばら星雲」をトップ画像にするのは躊躇われましたが、パゾリーニの忌日が冬なので、良しとしました。
ピエル・パオロ・パゾリーニ(1922.3.5〜1975.11.2)
イタリアの映画監督、脚本家、小説家、詩人、劇作家、評論家、思想家。
『ソドムの市』は最後の作品。
*ばら星雲とパゾリーニの画像はWikipediaからコピーしました。
*『 』内引用は、三島由紀夫による春日井建の歌集序文より。
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