ある日もったいなくなった人生
「もったいないな」
高校の担任に最後に言われた言葉を、いまだにひきずっている。
「卒業おめでとう」も「よく頑張った」も言われたはずなのだけれど、それらの言葉をいう先生の顔も光景も声のアクセントひとつ思い返せない。
目指していた大学ではなく、よく知らない地元の大学に行くこと。
浪人はしないという選択をしたこと。
何に対しての「もったいない」だったのか、自分でもよく分かっていない。
けれど、ふとした瞬間にその部分だけが蘇ってきて胸がざわざわする。
書きながら思い出した。その日