鍋に入るもの (入るシリーズ ※本作は毎週ショートショートnoteと無関係です)
そもそも青白の立方体にからんだのが間違いだった。いつのまにか犬だけでなく、蜂まで…。
そっと傍観していた私は我慢できず、割れた瓶から出てきた蜂と犬を連れて帰る。それらをまとめて軽く洗って絞り青白ツートンカラーの新種のかにといっしょに鍋に放り込む。
今までの話を総合するに、この料理がうまくいけば落選続きの私でも次の公募で必ず受賞できるはず。
しかしうまくいかなかった。鍋の中で浮かび上がる文字様灰汁と一緒に、蜂、かに、犬が茹だるどころか三つ巴になって争っているではないか。
おまけに連れて帰った覚えのない、ゆりの花までがなべの中で咲き誇る。鍋から飛び出た文字がキッチン中に飛び散り、収拾がつかない。
エライものを家に引き入れてしまった。私はあわてて鍋ごと生ごみ入れに放り込もうとしたが遅かった。私の身体は逆に鍋の中に引き込まれ、公募用の文字灰汁と一緒に溶けていく。
助けを呼ぼうにも、目の前にある①青と白のツートンカラーの立方蟹 ②よく焦げた餃子犬 ③まっきっきの蜜蜂、④美しいはずのゆりの花がこちらに向かって一斉に牙をむく。
あぁ……私が悪ぅございました……
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楽しいシリーズに便乗しました。皆様、すみません。
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そもそもの始まり、たらはかにさまの秘密に迫る伝説のショートショート
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◎◎追記◎◎
なんとこのあと、猫さまも参戦!!!
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ありがとうございます。