3日目「国家 上 」 図解メモ
2023年4月14日
「国家 上」
プラトン 著作
それ自体としてあるところのものに愛着を寄せる人々こそは、<愛知者>(哲学者)と呼ばれるべき人々だということである。
国家 上 とは?
プラトンが師匠であるソクラテスの立場になり、この物語は進んでいきます。
つまり主人公はソクラテスとなります。ちなみに、プラトンは一切でてきません
正しいとは正義とは何かを討論の名士ソクラテスが様々な人と議論しながら正解を模索していく、と言ったストーリーになっています。
要はプラトンはソクラテスに自分の言いたいことを言わせています。
<主な登場人物とストーリー>
※私は哲学や倫理については全くの無知なのでもしかしたら的外れなことがあるかもしれませんが、ご了承ください。
あくまでも、私がこの本を読んでわかったこと理解したことをわかりやすく書いています。
プラトンって何者?
プラトンはソクラテスの弟子でありアリストテレスの師匠です。
プラトンの名言『無知の知』(=何もわからないと言うことを知っている。学問には貪欲であり、また知ったかぶったりするのは良くないことだ)は有名ですよね
プラトンは政治に興味があり哲学者としての目線で哲学政治を進めていこうと言う思想を持っているものです。
つまり完全で真実である世界は完璧それを目指そうと言うことです(イデア論)
正義とは?
”正義”とは正しいことであり、反対の言葉には”不正”正しくないことというのが当てはまる。つまり
正義>不正
となります。
ソクラテスは嘘をつかないこと=いいこと、であるとすれば優しい嘘をつかなくてはならない時に嘘をつくことは正しくないことではないのか。
常に借りたものは返さなくてはいけない=正しいであれば、相手が狂ってしまった時に借りていた剣を返すのは=正しことなのか?
そこで返してしまうと、人を殺しかねなかったり危ない目に遭う可能性もあります。
つまり、正義とは
『正しいことではなく正しいと”思われる”ことが正義なのである』
と定義付けています
そうなると、強者の利益になるとトラッシュマコスはいます。
つまり
不正>正義
です。
なぜなら、強者、支配者が他の人に正しいと思われることを作ればいいのです。
例えば、強者が支配しているもの(農民など)に作物をもってこいそれが正しいと定義づければそれは正義になるのです。
つまり正義は強者の利益となりうるのです。宗教にも通ずるところがありますね。
しかし、正義とは正しいと思われることであると常に思い動いていると損をします。
上にあるように支配者の正義がその損をしている人の正義になるので、つまり支配者は正義を作り出しそれは他者から見ていけないこと”不正”なのかもしれないが得をしています。
ここでいう他者から考えるといけないこと、例えば嘘をつく等…
でも、嘘をついた方が自分の利益になることってありますよね。
嘘をつく=不正は自分自身の利益となり、不正は最も楽に生きれるとあるのです。
嘘をつかずになんでも正直に答える人は、空気が読めない人・人の気持ちを考えられない人って思うことがありますよね。つまり正義は惨めにするのです。
要は「いくら不正をしても、不正を貫き通せばそれが正義になり、結局のところ自分が得をするのならそれでいいではないか!」と言うことになります。
正義の第二の答えとしては
『正義は強者の利益となりうる』
ということです。
ではどちらが正義の定義づけとして正しいのでしょうか…
ソクラテスVSトラッシュマコス
の対決が始まります。
それを国という大きい枠から考えてみよう!となり理想の国家について話し合います。↓
正しい国家とは?
まずプラトンは「今の国家は”不正”だらけではないのか!」
というところから始まります。
正義の定義からして今の国家には、神々から民衆の生き方にまでさまざまな”不正”が国家の中に渦巻いているのです。
例えば、おとぎ話はどうでしょう。あれは、教育のための作り話ですよね。=嘘であるということです。これは正しいことなのでしょうか。
ギリシャ神話の神々は不倫や略奪をしたりとうカオスな世界観です。
でも、不倫は一般的に見るといけないことですよね。
それでも、人々は神を信じ、神の言うことは正しいと思っている。
不正をしている人を信じて、言うことを守るのは本当に正しいのか。
しかし、ここにある正義は強者の利益になっていますね。
トラッシュマコスが優勢です。
それに対してソクラテスは今の国家で一から塗り替えるのは無理なので、、、
『じゃあ新しい国家を作れば良い!正しいことだけの国家を作れば、人々は正しく生きていくのではないか!』
となるのです。ソクラテスはトラッシュマコスの意見に批判的なので自分の意見に引っ張ろうとします。
では、国家を作るとしたら、そこには人が必要であり、その人たちを教育することで正しいとされる国家を作ることができます。
国家を構成するのが一人の人間であるので、一人の人間をしっかり教育することが大切である。つまり、国家=教育となると思うのです。国家を作る上での正義。その国家の中に渦巻く正義は人としても同じで、国家=人間自身である。
プラトンの理想の国家は四つ構成されていて、正義のある国家、自分を制御することができる節制を保った国家と勇気のある国家・知恵のある国家ので構成されています。
勇気・・・恐ろしいものとは何であり、どのようなものであるかについて、法律により教育されたもの
節制・・・一種の秩序のことであり、さまざまの快楽や欲望を制御すること
知恵・・・全体としての国家自身のために、最もよく対処できるかを考慮する
正義・・・・国を収める人は知恵を持つ ・国を守る人は勇気を持つ ・一般市民は節制を持つ これらそれぞれの仕事を守って行なうこと
つまり、正義の国家には勇気と節制と知恵が必要なのです。
人間もまた、これらで構成されることで正義の人となるのではないかと思います。
そうしてソクラテスは議論し合いながら、頭の中で正しい国家を作り上げます。
それは実現可能か可能ではないかと言われば、実際にないので実現は難しいでしょう。
正しい国家を作るとしたら??
では実際にプラトンが国を作るとしたらどうなるのでしょうか
プラトンの理想の国家を実現するために必要(だが現実的には不可能)なことが三つあります。
男女で同じ教育同じ仕事を提供すること 例)女性でも戦士とし戦争の最前に立ち、針仕事を男性がする (今ではあり得るかもしれないが今から3000年前の話です)
妻や女性・子供を男性で共有する 意図としては支配階級者の私的なものの所有を禁止(女性や子供含め)することで国家の一体性を強めることができる。
哲学者が国家を収めること 哲学者は真実を観ることを愛するもの(←これは私は理解できる)であり、つまり色々なことについて確実な知を持っているものだから哲学者が収めるべき
こうすることで、個々の正義がバラバラでも共同体の中であれば調和せれて完璧になるよねってことだと思います。
これも実現不可能なことであると思います。
結局国家上でいいたいことはなんなの?
あらゆる事柄について確実な知をもつ者(哲学者)こそが国政を治めるべきでそれこそが正しく正義であるとプラトンは考えています。
そうした知の客観的な根拠がイデア論と呼ばれているのです。
彼のイデア論は『国家』では哲人王の思想と一体となっています。
感想
倫理の授業で紹介されたので読んでみました。
最初に思ったことは言い回しがくどい。いらない文章が多い。プラトンがうざい。
最悪な評価でした。プラトンは自分の思うような意見に引っ張っていくので、言い回しがたくさんあったり、相手の言ったことを何回も繰り返すし、とにかく思い通りに進めたい感じがひしひしと伝わってきました。でも、討論の名士なのでそれがプラトンのやり方なのかなと思うので仕方ないことですね。
とにかく、普段本を読んでない人には読めないだろうし、読んでいる人も頭の中で整理することが大変で何周もすることでようやく理解できる内容であると思います。
文章はもっと難しいと思っていましたが、意外と読みやすかったです。ソクラテスという文字は一番最初に一回出てきたきりそれ以降は”僕”になりますが、それさえわかっていればあーソクラテスが誰かと議論してるなーって感じで読み進められめられます。
内容は約400ページくらいでしたが、内容が難しいので読むのには苦労しました。読み終わった時の達成感はものすごいです。
ただ下巻を読みたいかというとしばらくは無理そうですが、上巻を読んだらすぐに下巻にいかないと内容を忘れ下巻の話が全くわからない状態になりそうです。
そのうち下巻も頑張りたいと思います。
哲学について勉強したい人、古典が気になった人、気力のある人は読んでみてください。
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