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読書ノート 「読むと書く 井筒俊彦エッセイ集」 井筒俊彦

 『井筒俊彦全集』未収録のエッセイ集。
 
ここには例えば、
 
ラカンの心理学は「無意識はコトバである」という基本テーゼが示すように、著しく言語関与的であり、その上、元来ソシュールの言語理論を継承し展開させたといわれる彼の立場は、この点では、むしろ唯識哲学の中核をなす「言語アラヤ識」論の系統に属すといっても過言ではないほど東洋的

など、琴線に触れるフレーズがいっぱい。 

 読むべきなのは第二章「言葉とコトバ」にある「東洋思想」「意味論序説―『民話の思想』の解説をかねて」など。アンリ・コルバンの『イスラーム哲学史』解説、エラノス会議の叢書の監修文など、ここでしかお目にかかれない文章も多く、ワクワクする。

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