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読書ノート 「存在認識の道」 モッラー・サドラー 井筒俊彦 訳

 『井筒俊彦監修 イスラーム古典叢書』のうちの一巻。他に『ルーミー語録』『顕照哲学』『イスラーム法理論序説』など。1978年第1刷版。

 50ページに及ぶ、井筒俊彦の解説が大事なので、そこから読む。

 巻頭、井筒の吐露から始まる。イスラーム哲学史の研究の進展を喜ぶとともに、いままでの迷妄した研究に苦言を呈している。西洋中心世界のなか、イスラーム哲学は不当に歪められて認識されてきた。1970年以降、この分野の研究は井筒やアンリ・コルバンの尽力により、その世界的重要性が認められていく。東洋の哲学のプレゼンスが向上するとともに、多元的な哲学思想の結節点が世界中に張り巡らされていく姿を見ることができる。

 とりあえず、理解、理解。

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