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月の車輪 「 Mémorandum」

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私の創作物、エッセイを集めたものになります。 収集テーマは「寝読み本」 創作の深い海に潜りながら握り続けたペンの先は何処にあるのかを探していければと思います。
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#日記

風呂場

新しい石鹸を開ける時が何故か好きだ

あの柔らかな薫りが包紙をめくると
わたしの鼻先へ流れてくる、
あの感覚が好きだ

石鹸が消えていく時、
私は
寂しく感じたり、
時によれば
早く無くなってしまえと
泡立てる

そして消えたらまた
その事は忘れて
包紙をめくる

あぁ、私も人間なんだな。

縁

流れていく雲に手を伸ばそうが届かない

靉靆を眺めるばかりの
窓際の一輪の野花は

花弁を落とす

水をやる。

花弁を落とす。

薬をやる。

花弁を落とす

小さな灯火が最後に燃え盛るような八月某日

そこには散った花々の上に
蜉蝣がいた