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ドール沼経過観察――二人目の1/12サイズドールをお迎えした記録
お人形さん遊びにハマりつつある今日この頃。経過観察noteのお時間です。
記事のヘッダーでも自慢しているように、二体目(お迎え決意順からすると三体目)のドールさんとして、アゾン製『リルフェアリー』シリーズの『お料理の妖精・スイ』ちゃんをお迎えしました。
今回は彼女をお迎えするに至った経緯について語ります。
『ミミ―ガーデン博物誌』シリーズ、チピィちゃんをお迎えしてからというもの、ミニチュアを増やし、背景を用意し、ぬいぐるみさんと引き合わせたり……と、様々なシチュエーションを構築することが日常の楽しみとなっていきました。
そこで自然に湧いてきたのが『同サイズの人間型ドールと共演させたい』という願望。
元々1/3スケールの『アイリスコレクトプチ』シリーズ、ふるるちゃんをお迎え予約済みではありましたが、チピィちゃんと触れ合っていくうちに1/12サイズの良さをどんどんと実感していきました。ドール用品ではないミニチュアとの相性の良さ、家庭の園芸・観葉植物やその他インテリアと並べた時の愛らしさ。
本っ当に可愛い。居ると実感するだけ、視界に入るだけで幸せになる。
シルバニアファミリーなど、サイズ感が近い非人間型のお人形さんと並べてももちろん可愛い。
でも……似たタイプのドールさんと並べたら新たな『可愛い』の化学反応が味わえるはず!
そんな思いが強くなり、1/12ドールの追加お迎えを本気で検討するようになりました。
世にドールメーカーさんは数多ありますが、ひとまず私が漁ったのはチピィちゃんの製作元であるアゾン社の作品カタログ。
(公式サイトの規約を見るに、このような個人noteに公式サイトを無断で貼れないようだと判断したのでamazonの該当商品ページを載せています)
やはりミミ―ガーデン博物誌シリーズの子たちは可愛い。しかし他シリーズの子たちも魅力的……。
そう思いながら、これまで発売された作品一覧と公式ネットショップのページを見比べていくとある決定的なハードルに気付きます。
売り切れ! これです。
ドールの生産数は限られている。受注限定の製品も多い。そう心得ているつもりではありました。
でも。この子いいな! と思った子の販売ページに飛ぶと堂々と掲げられた『取り扱いがありません』の表示に出会う……この流れを数度繰り返し、その知識が活きた実感としてどんどん心身に染み込んでいきました。
売り切れで公式からのお迎え不可のドールさんの中で、特に心惹かれたのがこのスイちゃんでした。
優しくあどけない表情、桃色の長い髪、淡い色の中華要素込みのドレス……。桃か茉莉花の匂いを纏っているような、妖精であると同時に桃源郷の仙女であるような。
『お料理の妖精』ではありますが、広い意味でのメルヘンな妖精のイメージと中華文化の要素がパステル調に纏まっているお姿に強く惹かれてしまったんです。
スイちゃんの場合、金髪でうさぎの着ぐるみを装備したバージョンなら公式で在庫があったのですが、彼女をお迎えするならどうしてもこのデフォルトの姿の方がいい。
とはいえ売られていないものは買えないので、スイちゃんは置いておいて、他にすぐにお迎え可能な子を候補として見繕いました。
ポイントは値段で選ばないこと。純粋にデザインに惹かれた子に目を付けること。妥協しないこと!
この中で一番ポチり欲が刺激されたのは『ミミ―ガーデン博物誌』のライアちゃんです。
格好良さ、スタイリッシュさに寄った精巧なスチームパンク系衣装と勝ち気な表情が魅力的なのは言うまでもありませんが、正直一番の要因は『お迎えチャンスの復活』に遭遇できたということです。
最初にお迎え候補者を見繕い始めた時、ライアちゃんも売り切れメンバーの一員でした。
ですが数日に渡りオンラインショップを出入りしたり公式SNSアカウントを眺めたりしているうちに、ライアちゃんの再生産の情報が入ってきたのです。
ライアちゃんの発売は2021年。そこからの再生産。これを逃せば本当にお迎えできなくなる……。
そう思いつつもお迎えを決意しなかったのは、ひとえにチピィちゃんをしゃぶりつくしていない実感があったからでした。
チピィちゃんが映えるシチュエーション、過ごしていく景色をまだまだ全然探求できていない。チピィちゃん一人だけと過ごすのでもまだまだ新しい発見がある。
なのに新たなドールさんを迎えるのはもったいないのではないか。飢えていないのに何となくスイーツを買うのと同じようなもの……お迎えする子もチピィちゃんも、彼女らが本来与えてくれるはずの喜びのポテンシャルを活かしきれず、溢れさせてしまうのではないか。
そんな感情が湧いて、お迎えの決意を固めるには至りませんでした。
このように、決めかねつつお迎え計画を宙ぶらりんにしていた時期がしばらく続きました。
ある日。何となくアマゾンで物を探していたら……お勧め欄にデフォルト衣装の、公式で売り切れていたスイちゃんが!
あれ? 貴女、売り切れていたんじゃなかったっけ?
そう感じつつ、とりあえず販売ページに飛んでみました。
お値段は定価より数千円高い、17000円と少し。中古の記載はありません。
発売元はアゾンではなく『KBホビー』。見たことがない屋号でした。
ここで一つの不安がよぎります。
――このスイちゃんは、本当にクリーンな商品なのか?
私がドール趣味に取り組むにあたり避けたいのは、違法コピー品や不当な転売品に手を出すことです。公式の利益を損壊してしまうから。
なのでまずしたことは、この出品者さんの個別ページのチェックです。
評価の星はほぼ五つ星に近く、評価者も数百人いて、真実味のあるレビューが長期間に渡り寄せられています。
販売業者は『久保商店』とのこと。そちらの名前で検索してみると、しっかりした自前のホームページに行きつきました。台東区に実店舗を持つ玩具卸売業者さんであるようでした。
これらを鑑みて、私はこの出品者さんを信頼することに決めました。正当に商売をしているところだと。
少し高いのはプレミア値でしょう。このスイちゃんは2020年発売で公式ショップは在庫切れ。プレミア値が乗ってもおかしくありません。
ならば、行動すべきは一つ。
『あやや様、ご注文ありがとうございました』
……チピィちゃんを味わいつくしたとはこの時も、今も思っていません。
ですが、お迎えを諦めていた、本命に一番近いところにいたドールさんをお迎えできる機会にひょっこり巡り合えた。
何より、季節は春。
今お迎えしなければ、絶対にお花が似合うスイちゃんと、この春を一緒に過ごすことはできなくなる!
機会損失への怖れに急き立てられたのは確かですが、それでも切実な思い入れを込めて、告白のようにポチったのです。
あ、ポチった後で駿河屋の通販サイトも調べたのですが、中古のスイちゃんも多少プレミア値が乗ったお値段でしたし、他の公式で完売しているドールも程度の差はあれプレミア補正が掛かっている子が多かったので、やはり定価よりちょっと高い分は正当なプレミア値と見做して良い……と判断しました。
数日後、スイちゃんは何の問題もなくするりと自宅に配送されてきました。
ここからチピィちゃんとスイちゃんの二人暮らしが始まった(私自身は第四の壁の外に居るので)訳ですが……お迎えして本当に、本当に良かった!!!
目論み通りお花が完璧に似合う。たまたま母が庭で育てているお花に紫系の花が多く、馴染みも抜群。
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ゴールデンウィークを前にしてお迎えできたことで、伊勢への旅行にも二人揃って連れていくことができました。人の邪魔になったり、聖地を軽んじるようなドール撮影はしないように心掛けました。ホテルでお土産と一緒に撮影するだけでも幸福感が溢れてくるものです。
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スイちゃんはチピィちゃんと異なり人工毛が生えているドールさんです。彼女の髪を梳かしているだけでも温かな、慈しみとでも呼べそうな気持ちに包まれます。
妄想面でプラスに働いたのは、チピィちゃんとは違うシリーズ……即ち、違う背景設定を持った子だということ。
私はこんな記事を書く程度には版権クロスオーバー、別の世界観同士が組み合わさる物語が好きなのですが、そんな妄想をお人形遊びでも味わえる。
制作側から提示された設定を基に、彼女たちの関係性を私の独自設定で埋めていく悦び。ドールを買って部屋に置く、それだけでも私だけのフィルターを通した二次創作となる特別感。
眺めて良し、妄想して良し、っていうか居るだけで幸せの濃度が濃くなるエキスを発散しているお人形さんたち。
……いいですよ!!
とまぁ、この二人だけでも大いに満足しているのですが、発売時こそお迎え時! を実感したので、
こちらでも紹介されている、ミミ―ガーデン博物誌シリーズの新人、クロアちゃん(ブルーパープル)もお迎えすることに決めました。
ふるるちゃんと同日にお迎え予定ですよ!
一人一人を味わい尽くすという方針はどうした!? と突っ込みが入るかもしれませんが……他の子と被らないダークさで可愛いし……ミミ―ガーデン博物誌は今後も追いかけていきたいなと思わせられたので……過去作の子の順次お迎えも辞さないなと思っているので……後悔しないために……。
うちに集ったドールというコミュニティを愛でていくのもいいかな、と思えてきたんですよ! 沢山いるとドール同士の絡みのバリエーションも増えるしね!
では、今回の診察はここまで。目を通していただきありがとうございました。