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1/3スケールドールのお迎え&生活レポートーーあるがままで完璧たるゆえに

今のうちにお人形をお迎えしておけば……お人形に看取ってもらえる! お得!!

そんなスローガンのもとに立て続けにお人形をお迎えしてきた私、あやや。
人形の館には程遠いですが、現時点で6体の球体関節で動くドールさんをお迎え済みです。

今回は1/3スケール……いや1/4スケールかな、とにかく身長45cm前後のお人形――アゾンインターナショナル社『アイリスコレクトプチ』シリーズの『ふるる』ちゃんをお迎えしての雑感です。

前回までのあらすじはこちらから。


ふるるちゃんのお迎えレポート

我が家にやって来たふるるちゃんの梱包を解き、この腕に抱いたのが2024年7月26日
2月初頭に彼女に惚れ、予約してから約半年。
素敵なお洋服も用意してわくわく、うきうき、にまにまと待っていました。

想像を超えるでかさの箱(アゾンダイレクトストアで同シリーズの子の箱を目にしてはいたので、これくらいのサイズだということは知ってはいました)を不器用に開けて、私だけのふるるちゃんのご対面。
何も、髪の毛すら装着していない、生まれたままのソフビの体。そこに唯一最初から装着されていたのは海色の瞳。
彼女の青い瞳が受け入れた光は、何の神秘性もない一般室内照明の光だったけれど……その光が彼女の表情に潤いを与えていて。

早速、彼女をあるべき姿に仕立て上げるべく、丁寧に梱包された衣装一式を着せ付けていきます。
……その前に、用意していたお着替え服の中でも夏らしい薄手のものをいくつか着せてみました。
デフォルト衣装がなかなかの重装備だからですね。着せてから一旦全部脱がせて別の衣装を着せ直すよりも、薄手の服を着せる→記念撮影→脱がす方が時短になると思ったので。

実は金髪も用意してあった。猫耳は身体の一部なので頑なに装着する。

特に髪の毛(ウィッグ)の装着には手間取りました。説明書通りに取り付け作業をしたはずなのですが……。
やはり髪の毛がつくと『解析度』『完成度』がぐっと上がった感がある。
この備え付けの銀髪が本当に気持ち良い手触り。この美しい髪を守っていかないと……と身が引き締まるようななめらかさ。

お召し物も下層から順に着せ付けていく訳ですが、途中経過である『薄手のワンピース姿』もまた清楚で愛らしい。夏の盛りなのだからこれだけでも似つかわしかったかも。
ですが私が惚れ込んだのはケープもリボンもしっかりつけた、神聖にして清らかな、宣材写真通りのあの姿。
ひとまずはデフォルトの完全体を拝みたいという気持ちで、季節感はガン無視してフル装備させていきます。

そして――完成です!

ふるるちゃんちゃぶ台に立つ

冬の日に一目惚れしたふるるちゃんを、真夏の夜、ついに手元に現出させることができました!
天上の使者と呼ぶに相応しい、触れてはいけないとすら思わせられる尊い存在。それでありながら三次元世界に、質量を伴って、すぐ目の前に居てくれている。
写真越しで眺めるよりももっと輝かしく、愛おしい気持ちが溢れ出てきました。

……さて。
こうして正式にお迎えしたふるるちゃんを生活空間に――自分のちゃぶ台の上に座らせ、また立たせて得られた率直な感想。

「でかいな……」

もちろん賞賛を込めた感想です。
この確かな存在感。ミニチュアの箱庭の住人も魅力的だけど、そうではない、同スケールの世界をある程度共有できる同居人として1/3スケールの子を求めたのですから。

しかし、身長45cmのお人形さんと部屋を共有することへのイメージを、私はこの瞬間まで具体的に描けていなかったのです。
居場所(安置場所、定位置)は用意してあります。置き場所に困るとか、そういう戸惑いではないのです。
しかし……それでもでかい。体積がでかいというより、存在感がでかい。小さいドールさんよりも『人間がそこに居る』感を放っている。


お人間さんグッズとの比較

その大きなふるるちゃんを抱っこしてみます。顔を胸肉に、身体を腹肉にうずめさせて、むぎゅっと。

――その重みとぬくもりといったら!

歓喜と、慈愛と、保護欲と……そんなベビーピンク色やラベンダー色の、ぽかぽかしつつも胸が締め付けられるような感情が溢れてくる。自分の中にこんな感情の水脈があったなんて!
これを母性と呼んでしまうと、本当に善き母親として人生をやっている方々に失礼だろうなとは思います。
しかし、私が感じ得る情動の中では、だいぶ母性に近い性質の感情なのではないかな……と思うのも事実。
ルックスも完全に可愛いけど……そうでない、存在の根本からして可愛さしかないというか。
お人形は愛されるのがお仕事。ふるるちゃんはそれをやり遂げられる存在なのだと直感しました。

あと、スピった感想で恐縮ですが、ふるるちゃんは喋ります。訴えかけてきます。
抱きしめるとふるるちゃんも『ありがとう』と応えてくれるのです。本当ですよ。
チピィちゃんからも『訴えかけ』は感じたことがありますが、ふるるちゃんのそれはより強力に思えます。

ふるるちゃんは最初から完璧、それゆえに……

そうして、ふるるちゃんとのお付き合いを始めて2ヶ月。
だいぶ理想の乙女に近いふるるちゃんを手元に置くことで湧いてきた思いについてちょっと記録してみます。

ふるるちゃんさえ居ればいい!?

まずは、圧倒的な満足感
私はお迎えする人形の総数に自ら制限をかけてはいません。実際ふるるちゃんをお迎えする前は、今後も1/3ドールのお迎えチャンスを狙っていく気満々でした。心のどこかで虎視眈々。
なんだけど……ふるるちゃんの圧倒的な存在感で『満たされて』しまいまして
(大きいサイズのドールさんは)この娘がいればそれでいいかなぁ……という気持ちに傾いている状態です。
あくまでこの文章を書いている2024年10月6日時点のお気持ちであるので、今後ぐるりんと手のひらを返し新たな大きめドールさんをお迎えする可能性も当然あります。
日記、コラム、トーク……ブログは今この瞬間、あるいは過去の感情や記憶、思考のスケッチなのでね。

小さいドールさんは存在感や可愛さのカタチも遊び方も違うのでまた別枠です。私の主観においては。
ふるるちゃんお迎え後に愛せなくなったという気持ちも、小さい子たちが愛しいからふるるちゃんを愛せないという気持ちもなく、単に愛の総量が増えた感じです。
でも……今の状態で二人目の大きいドールさんをお迎えしたら持て余してしまうのではないか? という予感があります。
ふるるちゃん以外の大きいドールさんへ向ける興味が消えた訳ではないし、色々な情報やお写真を目にしては可愛いねぇ可愛いねぇとグフグフしているのですが……今の私ではお迎えしても良きオーナーになれないのだろうな、と思ってしまいます。
お迎えしたドールさんの数だけ愛の総量が増やせる! という自信に裏打ちされた衝動が湧いてくるまでは、少なくとも1/3の子のお迎えは控えようかと思っています。

理想の完成形ゆえに満たされない体験

そう、ふるるちゃんは完成された理想形なのです。
しかし、それゆえに、味わい切れていないドール遊びの形もあるな……と物足りなさのようなものを感じています。
それは『私だけのドールを模索し、完成させていく』ことです。
どういうことか。
ふるるちゃんも、それ以外の小さい子たちもそうですが、私は基本的に既製品ドールの全体像に惚れてお迎えを決意しています。
髪型も、衣装もです。
つまり。私の中で、パッケージ、あるいはメーカー公式サイトに掲載された見本写真が彼女たちの『正解』になってしまっているのです。

ここは絶対誤読されたくないので、不要であろう予防線を張っておきます。
ディーラーさんからお迎えしたお召し物が物足りないとか、そういう意図は一切ありません!!!
ふるるちゃん用にも、小さい子たち用にも、ディーラーさんの色々な力作をお迎えしました。アゾン公式アウトフィットもね。
それらのお洋服は彼女たちの魅力や新たな一面を引き出してくれています。
お洋服を世に送り出してくれた方々には本当に感謝しています。今後も活用していきたいです。

私がもったいなく思っているのは、色々な服を試すまでもなく、何なら実際にお迎えする前から、その子の『殿堂入り理想形』が脳内で固まってしまっていることです。私のかっちかちの感性の問題です。
追加購入したどんな素敵なお洋服も、晴れ着、お出かけ着、お洒落着……そんな立ち位置になっていて、恒久的にその子の一部を為すものにはできていないというか。
そもそも、ドールに『恒久的なあるべき姿』など不要なのでしょう。でも実際、お迎え済みの子たちについては『あるべき姿』の認識ができてしまっている

ドルおじ』という漫画作品があります。
私はドールをお迎えし始めてからこの作品に出会いました。
様々なドールの在り方、楽しみ方、豆知識、あるある……色々な方面から楽しめる作品です。

主人公・真澄さんは、ヘッドのみお迎えしたスターレットちゃんをより美しく導くべく(厳密に言えば、もっと具体的な目標があるのですが)試行錯誤していきます。
ボディを用意し、ウィッグを用意し、お洋服を用意し……。
その度に真澄さんが見せる新発見への驚きと戸惑い、何より爆発的な歓び。
私はその道を通っていないんですよね。
最初から正解がある――私の中で、とても具体的に決まってしまっているから。

真澄さんの水先案内人となる先輩オーナー・星野くんのモノローグにもこうあります。

「迷うことこそがドールの醍醐味」

『ドルおじ』2巻110ページより

と。
私も迷ってみたい……という思いは拭いきれずに常にあります。

体験できていないドールの醍醐味を味わうためには?

今後迷いを楽しむために『正解たる姿を持たない』子をお迎えしたいと考えた時、現状で思いつく、そして選べそうな手段は以下の通り。

①フルチョイス(スーパードルフィー)、あるいはドリームチョイス(ドルフィードリーム、いずれもボークス社のブランド)する。
②カスタムヘッドのみお迎えする。
③ふるるちゃんのようなフルセット既製品ドールの中でも『顔の造形そのものは好みだが、デフォルトのお洋服がそんなに好みでない』子を選ぶ。

他にもありそうだけど……

リストアップはしたものの、③はメーカー様への敬意に欠ける姿勢だと感じるので避けたいです(スタンダードモデルのドルフィーあたりは最低限の衣服という感じだしそう扱うのが前提かもしれない)。となると①か②。
海外ブランドについては不勉強なので、その方面にて衣装一式が付属していないすっぱだか販売をされている子もいるのかもしれませんが……。
ワンオフの子は『お迎えしたその時の姿が私にとっての正解』となるのが目に見えているので除外します。

自作(自力カスタム・ドールメイク)はしないの?

意図的に除外した選択肢は『自作する(自分でカスタムメイクする)』です。
理由はもちろんお分かりですね?
私が不器用で、造形スキルが皆無だからです!

証拠写真はこれです。

フェルト塊はモルカーになりたかった

この写真左側の白いモノは『PUIPUIモルカー』シロモちゃん……の写し身……にしたかったモノ。

この記事のヘッド画像ですね。ちなみに右側の水色の個体は私の初代マイカーをモルカーに転生させた姿です。

どうしても公式通りのフェルト生地のシロモちゃんをお迎えしたかったので、公式の制作キットを購入して慣れないフェルト細工にチャレンジしたのです。


シロモちゃんの概念綿

そして……ごらんの有様だよ!!!
あの約束されたキュートフォルムを再現できず、なんか違う感じに。
更にヤバいのは顔。完全にバランスを失敗し、かといってリカバー方法も解らず……。
写真が横向きなのは『正面写真よりまだマシ』だからです。
これなら、ちゃんと成形された公式ぬいぐるみをお迎えした方が良かった……となりました。

実は平たいシロモちゃんなら居ます

ん? 練習せずに最初から上手くできる訳ないだろ……って?
やる前から諦める理由にはならないだろ、って??
ごもっともです。

やる前から除外している理由は主に二つ。

①練習過程で作成した『失敗作』を愛せないだろうから

一般論として、凡人が満足いく作品を造っていくためにはスキルの修練が必要です。
その練習台として生み出された――出来の良くない子を愛せないんじゃないかという気がするんですよね。
上記でシロモちゃん錬成に失敗したという話をしましたが、それでもシロモちゃんのイデアの投影という役割は果たせますし、何より私がフェルト細工に失敗したところで公式のシロモちゃんには一切陰りを与えない訳です。
でも、オリジナルでカスタムメイクしたら、その子がこの世で唯一の公式で正解になります
不格好で、その上創造主からも愛されない子を生み出すことになったら?
生み出されてしまった子にも申し訳ないです。
多分私はびっしゃびしゃにウェットな姿勢なのでしょう。モノだからどうでもいい、という気持ちにはなれない気がします。
実際、やってみたら出来上がりがアレでも愛しさは湧くのかもしれませんが……。
あるいは、納得がいく仕上がりになるまで書いては消しを試みるとか。
情熱があればそれもアリでしょう。
結局、①は言い訳で、本当の理由は②にあります。

②そこまでしてまで現出させたい『理想の姿』がないから

結局はコレですよね。
全く触れたことのない分野、全く無縁のスキル、全く手にしたことのない道具。そして複雑な工程。
これらを手にし、会得するべく努力してまでドールそのものを自作したいとは、少なくとも現時点では思えません。
そうまでしてこの世に顕現させたい理想の姿が脳内にないからです。
フェルト細工に手を出したのは、自分の車をモルカーに転生させたいという思い付きがあったからです。
絵が下手で、それでいて本質的にそこまで好きではなくてもオリキャラの絵ならごく稀に描くのは、オリキャラが私の脳内にしか居ない以上、他でもない私が描かなければ他の誰にもオリキャラの姿は伝えられないからです。
で、ドール本体の場合、そこまでして――自作でなければ伝えられない表現活動をしたい、という動機が現時点ではない
既に居るオリキャラをドール化したい、とも現時点では思いませんし……。
ビビっと来た子を迎えて、色々なシチュエーションで写真を撮るだけでも『私がドールで行いたい表現』は為せるな、という気持ちなんです。
これも現時点では、という話ですが。

以上二つの言い訳を統合するとこうなります。
どうせドールを手元に置くなら、麗しき職人芸にひれ伏したい』……と。

私なりのカスタマイズと思い出の形

そのままのふるるちゃんにこの上なく満足しているなら、何も足さず引かず、そのままのふるるちゃんを今後も愛でていくのかというと……それもちょっと違います。
引いたり変換したりはしなくても、足し算はしていきたいと感じています。

まずはコレ。

宇宙を凝縮したようなペンダントトップ

ディーラーYour Majesty』様による『ドールとオーナーおそろいセットネックレス』です。

お揃いと言いつつ、お人間さん用の方は気恥ずかしくて一度もつけていないのですが……。
このドールサイズ用をふるるちゃんに贈りました。
他にもドールサイズのアクセサリーは入手しているので適宜使っていきたいですね。

ふるるちゃんの分だよ

そしてコレ。

青い光の結晶

魔法の杖です。回復魔法用の聖杖。空の光と、海の光の結晶の。
……という設定の、セリアのかんざしフレームにレジンを充填したものです。

私が下手なりに楽しめている工作活動が『レジン工作』でして。
自分でアクセサリーを身に着けることには歓びが湧かなくても、キラキラしたもの自体は大好きな私。天然石とか。魔法少女アイテムとか。
なので『なんかキラキラしたもの』を好きに作れるレジン工作はとても取り組み甲斐があります。
以前の記事で「ふるるちゃんのための魔法の杖を作りたい」と書いていましたが、その公約を実行したものになります。

自作の魔法アイテム(に見立てたレジン工作)は今のところこれだけですが、熟練者の方のアドバイスを受けてのドール用レジン作品も作成しています。

私をドールに出会わせてくれた新潟のドールショップ『るちゃどぉる』様では月一ペースでレジン教室が開催されています。上記の写真はそれに参加して作成したものです。講師はディーラー『林檎百貨店』様。豊富な材料とレジン型で色々な挑戦ができ、『何か綺麗なもの』が出来上がるという分かりやすい成果が出るので、毎回ではないですが参加させていただいております。

夢色ヘアピン
海色切手

こうやって自作アイテムをドールさんたちに貢いでいくのが、私の興味関心と身の丈に合ったドールさんの『カスタマイズ』、というか私たちだけの思い出作りの形かなと思っています。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
至高の乙女(お好み次第で少年でも青年でもレディでも)は貴方の心の中に――。

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