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自宅介護へ向けて住宅改修

祖母はアテローム血栓性脳梗塞による右麻痺で急性期では運動障害と摂食嚥下障害が起こっていたが、回復期から徐々にリハビリや本人の回復力の高さもあり、現在は日中の歩行器移動と普通食可能となった。

最初私が入院中に、祖母からかかってきた電話の言葉は不明瞭で何を話しているか1/3程度しかわからなかったのが、現在では少しこもってはいるが、しっかり聞き取れるように。
最初は経口摂取不可と言われており、徐々に嚥下食へ移行し、時折『甘いものが食べたい』と電話で訴え、食べられる甘いモノのハチミツを母が差し入れしながら、最終的にはいつもの大好きな朝食のパンを食べられるようになった。

自身の入院や安静指示とその後ずっと仕事でなかなか祖母の入院している病院に行けなかったが、この前初めて母と祖母の病院の面談に行く事が出来た。と、言ってもコロナ禍なので直接会う事は出来ず着替えを理学療法士さんに渡したり、住宅改修の説明を聞くのみだったが、退院に向けて少しずつ進んでいる様子を聞くことが出来た。

脳血管障害ともいわれる「脳卒中」は、脳の血管が詰まったり、破れたりして、いろいろな脳の障害を来す病気全体をさしている。脳卒中は、1951年から約30年にわたって死亡の原因の第1位であったが、現在では、その後の急性期治療の進歩により、がん、心疾患に次ぐ第3位となっている。しかし、脳卒中の患者の全体の数はむしろ年々増加している。
「脳卒中」の中で、血管が詰まることにより起こるのが「脳梗塞」である。

脳梗塞では脳血管が狭まったり、塞がれたりすることで脳神経細胞に血液がいかなくなり、運動麻痺、感覚障害、高次脳機能障害、意識障害などのさまざまな症状が起こる。 脳に大きなダメージを与える脳梗塞は、治療後も後遺症として残ったり、数年のうちに再発し、さらには最悪の場合命を落とす可能性がある脳疾患だ。「脳梗塞」の中でも徐々に進行していくものや、突発的に激しい痛みが現れるものなど種類によって特徴が異なる。運動麻痺や感覚麻痺などの自覚症状が現れる頃には既に病状が進行していることが多いため、生活習慣による日々の予防、もしなってしまったときは初期段階での発見・治療と適切なリハビリテーションが鍵を握っている。

脳血管が狭まり、塞がれてしまう原因には「脳血栓症」と「脳塞栓症」がある。
「脳血栓症」(ラクナ梗塞、アテローム血栓性梗塞)は脳血管の狭窄部位で血小板(血液に含まれる細胞成分の一種)により血液のかたまりである血栓が作られ、血管が詰まることで起きる。そもそも血栓ができる要因として考えられるのは、動脈硬化などによる血管壁の変化や、血液のうっ滞や濃縮などによる血流の変化、抗リン脂質抗体症候群などによる血液凝固能(血液が固まる機能)異常などがある。
「脳塞栓症」(心原性脳塞栓症)は心臓や起始部の動脈などでできた血栓が流れてきて脳血管を閉塞させることにより発症する。塞栓の原因としては心臓弁膜症や不整脈である心房細動などにより心臓内にできた血液のかたまりにより起きると考えられている。

祖母の場合は
アテローム血栓性脳梗塞(脳血栓症の一種)
動脈硬化(アテローム硬化)によって狭くなった血管に血栓ができ、ラクナ梗塞よりも太い血管が詰まって起こる脳梗塞が「アテローム血栓性脳梗塞」である。動脈硬化が基礎病変にあるために高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病が主因になる。
(祖母の場合は高血圧症の既往あり)

神経機能の回復のメカニズムはまだ良く分かっていないことも多いが、少なくとも早期にリハビリテーションを開始すると、機能予後は格段に良くなることが分かっている。一人ひとりの障害・程度に応じたリハビリテーションを行うことで、その人がもともと行っていた日常生活にスムーズに戻れるようにしていくことが重要である。

「リハビリテーション」(Rehabilitation)は、re(再び、戻す)とhabilis(適した、ふさわしい)から成り立っている。つまり、単なる機能回復ではなく、「人間らしく生きる権利の回復」や「自分らしく生きること」が重要で、そのために行われるすべての活動がリハビリテーションだ。
祖母の場合は回復期リハビリテーション病院で理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)のようなリハビリテーション専門職の支えがあった。

回復期のリハビリテーション病院でここまで回復した機能を自宅介護でいかに維持出来るか。そして、お風呂はデイサービスにお願いしながら、1番は転倒による骨折に気を付け、無理ない範囲で歩行器での自立を見守れるような態勢を整えていきたい。これから住宅改修を行い、祖母を迎え入れる準備をしていく。

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