現状維持は衰退
新型コロナウィルスの影響で緊急事態宣言による外出自粛が続いています。これに引っ張られるように景気も後退しているので心配が尽きないわけですが、組織にとって景気後退と同じく怖いのが「現状維持バイアス」の加速です。
要するに、
「こんな時だから新しいことにチャレンジしよう!」
ではなく、
「こんな時だから現状維持でしばらく様子を見よう」
という考えが組織内に蔓延する状態です。
そして厄介なのは、こういう思考に1度でも陥ると、平時に戻ったときにも、
「問題なければ現状維持でしばらく様子を見よう」
という考えになってしまうところです。
つまり、どんなときも現状維持を好むようになってしまいます。
見方によっては慎重派に映るかもしれませんが、そもそも現状維持は良しなのでしょうか?
個人的な考えとしては、「現状維持は衰退」と考えています。
というのも、今回の新型コロナウィルス然り、世の中は日々凄いスピードで変化してます。1年前に通用したやり方が現在は全く通用しなくなっていることはざらにあります。なので、現状維持は結果的に後退しているのと変わらないと考えています。
では、この現状維持バイアスを打破するためにはどうするべきか?
自分なりの答えは3つあります。
まず1つ目が、トップダウンで決めてしまうことです。
トップが「これをやる!」と決めたことに対し、全員ができる方法だけをひたすら考えていくやり方です。
最近では現場の意見を吸い上げるボトムアップが組織体系の主流となりつつありますが、今回のような先行き不透明且つ非常時には、トップダウンが有効だと考えています。
次に2つ目が、社外から人材を採用することです。
得てして「現状維持バイアス」が強い組織は、社歴の長い社員が主要ポジションを占めており、内部異動含めた人の循環が行われていないケースが多いです。なので、社外でキャリアを積んだ外部人材を採用して主要ポジションに据えることで、組織内に蔓延してる「当たり前」を変えていくやり方です。
最近では複数会社を経営者として渡り歩くような「プロ経営者」も増えてきており、ある種のトレンドではあります。
最後3つ目が、意図的に制約をかけることです。
「精一杯背伸びをしないと届かない高い目標を設定する」
「ノー残業デーを増やし就業時間を抑制する」
などといった、あえて追い込むことで新しいアイデアを引き出すやり方です。
またこれについては、今回のような意図せず制約がかかる場合も同じです。外出自粛要請に伴う中小企業でのテレワーク実施などはまさにこれです。
どれも組織内にそれなりの刺激を与えるやり方ではあるため、場合によっては社員の反感を買い、離職に繋がることがあるかもしれません。
ただ、これからの時代を生き残るためには、現状維持は死に体であり、多少の痛みは覚悟の上で、日々変化と前進を繰り返さなければいけません。
こういう現状だからこそ先入観の無い新たな挑戦を進めていきたいです。