ハルキストにツツイスト、金井の読者はカナイスト
アマゾンのKindle本を漁っていた。いま五十パーのポイントがバシバシ出てるのでちょっくら仕入れた。もらったポイントで紙の本をポチったりしてホクホクである。
電子や紙、それぞれの本を見て回って気づいたこととして、なんかレビューが増えていないか、という気がした。数十件のレビューなどザラである。百オーバーのものも多々あり、ああこれはあれかな、巣ごもり(歯に衣着せぬならひきこもり)需要としてみんな本を読み始めてるんじゃないかと。はたから見ていてそういう感じがある。
喜ばしいことです。本が売れないってみんな嘆いているところへ、こうしてまとまったレビューが出てきているというのなら、以前より少しくらいは売れてきてるのではないかと。どういう売れ方かは知らん。読む人がもっと読み出したか、読まなかった人が読み出したか。いずれにせよ出版業界、たぶんいま軽い稼ぎどきじゃないかね。
だいたい娯楽が多すぎる時代だ。家にいるならゲームやっててもいいし各種サブスクで遊んでいたりもできる。そこへわざわざ本を読むという時間をとってるのならば、なかなかこの時代も捨てたもんじゃないかもよ。
読書人口を増やすことが本をたくさん売る方法だとしたら、なんの本であれ(誰が書いたものであれ)とにかく読んでもらうことは多くの書き手のためでしょう。ある人が百冊読んだあとで自分の本が読まれる番が来るかもしれないのだ。あるいはもうその百冊の中に入っていたかもしれない。いろいろな本が売れていくということは回り回って様々な書き手にプラスとなる。あれもこれも読む、という人の読書リストに自分の本がしれっとまぎれ込んでいるということ。または、たまには読書でもするか、というタイミングで運よく自分の本が選ばれること。読書する人の総数が増えれば売れる人も増える。
まあ、俺は本を出してないんですけどね。
なんの話なのかというと、いまこそ本の売り出しどきなんじゃねえかと。いまなら前よりは売れるんじゃないか。とはいえそもそもデビュー元の新人賞の応募総数がえげつねえことになってて、これも巣ごもり・ひきこもり現象の影響かね。新潮の応募とか二千オーバーでしょう。おかしいってこれ。や、本当に優れた作品だったら、倍率など関係なく受賞するらしいんだけど。
ハルキスト、春樹を愛読する人。ツツイスト、筒井を愛読する人。ならばカナイスト、あたくし金井枢鳴を愛読する人、母音がiで得をしたが、未来に現れるといいですねカナイスト。がんばろう。退けねえとこまで来ていてまた一年が終わりゆく、冷や汗もんの切迫。