コントロールは、はじめからできない
幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない No5 幻想
「心は人間に、種としての途方もない優位性をくれた」と始まる今日。そして、「この驚くべき環境コントロール能力は、私たちに多くを期待させてしまう」としています。
確かに、心に期待しすぎる所は、我々に強くあると思います。
「だが…」と続きます。
「自分の内面について、私たちはどのくらいコントロールできているだろうか?思考、記憶、感情、衝動、本能、知覚などは?嫌いだからといって、避けたり消したりすることができるだろうか?」と疑問を投げかけます。
実験
ここで紹介されている実験、一緒にやってみましょう。
次の文章を読みましょう。
あなたの一番好きなアイスクリームについて考えないようにして下さい。
色や質感なども思い浮かべてはいけません。夏の暑い日にそれを口にいれたらどんな味がするか、舌の上で溶けるとどんなにおいしいかも考えない。
これはずるいですよね。アイスクリームを考えないわけには行けない。
次に…
子供の頃の最も古い記憶を思い出す。頭の中で映像を思い浮かべる。それでは次にそれを消し去る。完全に消し去って二度と再生できないようにする。
今度は、
意識を左の膝に向け、感覚を味わう。では次に、完全に無感覚にする。つねっても何も感じられないほどに。
別の思考実験として、
誰かがあなたの頭に銃を突きつけ、「恐怖をかんじるな」と言う。ほんのちょっとでも不安を感じたら彼は引き金を引く。
この状況で不安を感じないでいられるだろうか?
最後に、
下の星印を見つめる。二分間そうしている間、思考を停止する二分間、心に何ひとつ思い浮かべてはいけない。特に星に関することは考えない。
無理ですよね…。思い浮かべてしまう。そう、
「思考や感情、感覚、記憶などをコントロールするのは簡単ではない。思っていたよりはるかに難しい」
もう私の中では、当たり前になりつつありますが、無理なんですよね。考えないようにすることは、捉われたら最後。
このことをわかりやすく紹介したのが、こちらの本。
これは、1987年にダニエル・ウェグナーが提唱した、「何かを考えないように努力すればするほど、かえってそのことが頭から離れなくなる」という現象(皮肉過程理論(英:Ironic process theory))が基礎になっています。
では、そのコントロールを学ぶにはどうしたら良いか?
ではまた。