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登り続けた指名数の階段が【踊り場】で停滞したらチェックしたい事

【楽にしてあげたい】と思う程、お客様に引かれてしまうジレンマの克服方法


リラクゼーションサロン、鍼灸治療院、整体院、整骨院、整形外科…

お客様(患者)から見れば、自分の身体の不調や苦痛を改善してもらえそうな窓口は随分いろいろとある事に気づかされる。

施術者サイドが話題にするような、治療行為と癒しサービスの違いという、語りだすと難しい話はここでは触れない。

僕たちリラクゼーションセラピストがお客様に喜んでもらう為に、実はお客様が内心もとめている【不調の改善、苦痛の改善】とどう向き合ったら良いか考えてみる。

この事を考えるうえで最も当たり前で、かつ手っ取り早いのが、自分が客(患者)であった時の心理を思い出すことではないかと思う。

リラクゼーションサロンに来店するお客様のほとんどが、何かしらの不調や苦痛を身体に感じている。

余談になるが僕は今、セラピストを始めて10年目を迎え、施術時間は20,000時間に到達した。

色々な出会いがあった中で一人だけ、いつも決まって「どこも疲れてない、つらくもない。ただヒマだから来ただけ…」という、常連のお客様がいる。

笑ってしまうような、やり甲斐なくすような話だが本当の話だ。

しかし考えてみればむしろ、そんな人にこそ、どんどんリラクゼーションサロンを楽しんで頂いて、業界が潤えば…とも思うわけだが…

さて、そのようなお客様はかなりのレアケースというのが実情だろう。

だから通常、リラクゼーションセラピストは大きく二通りの思いを込めて施術する事になる。

【リラックスしてもらいたい】
【楽にしてあげたい】

そしてそれは受け取る側のお客様も共通であろう。

【リラックスしたい】
【楽になりたい】

僕がリラクゼーションサロンに行きたくなる時も、まさにそんな思いが込み上げてきたときだ。

しかし一方で、「リラックスなど求めません。この痛みが解消されて、明日の仕事に無事まに合うのなら…」の一心で治療院を選んだ経験もたくさんある。

つまり、リラクゼーションサロン、治療院、整形外科などの病院など、どの分野で施術(治療)を受ける事が【不調改善、苦痛改善】を目指すうえで、上位であるとか正しい選択であるいう事は、お客様(患者)のその時の思いや考え方しだいなのだ。

人の身体に関わるという、ある意味共通項がある近い他業種であるが故、ライバル視したり、けなしたりするのは全くナンセンスであり、皮肉にも、そんな無駄な考え事をしている時間を過ごす事こそが、セラピストの思考がお客様目線から遠ざかってしまう最大の原因ではないか?と僕はいつも思っているのである。

僕たちリラクゼーションセラピストだから出来る事と、僕たちには出来ない事があるのだ。

だからと言って【お客様は業種の違いで優劣などつけていない】というのが僕の実感だ。自分だって客や患者になる場面があるのだから…。少し想像してみればよく分かると思う。

これまた余談になるが、僕は20数年の調理師経験の中で、【一人前何万円】の料理を提供した経験もあれば、【一人前150円】で主食からおかずまで提供して、満足させなければいけないというタスクを背負って料理を提供した経験もある。

同じ料理の仕事なのに求められる事は全く違う。

どちらの仕事もそれを必要とするお客様の役に立つことができたら、必要とされ感謝される存在になれるのだ。

実際僕が料理人として苦しんだのは150円の仕事の方である。

150円の仕事を克服する為に、何万円の仕事で培ったスキルは存分に発揮すればよい。
ただし予算のオーバーは絶対に許されない。

つまり話を戻すと、近い業種、全くの異業種、
何でもいい、リラクゼーションセラピストとしてお客様に貢献できるスキルや物の考え方なら
何でも参考にすればよい。

ただし、最終的にお客様が求める商品になっていなければ次回以降の【ご指名】は難しいだろう。

他業種との背比べはやめて、お客様の喜びに集中したいものだ。

さて、サブタイトルにもある【楽にしてあげたい】そう思うほどお客様が引いてしまう…という問題。

これは、ある程度セラピストの仕事にも慣れてきて、指名してくれるお客様も増えて来たが、どこか伸び悩みというか、「この位の指名数が限界かな?」と感じる時期に、自分でも気付かないうちにハマってしまう現象かも知れない。

思えば僕もそうだったと振り返ることが出来る。

階段を駆け上がるように指名数が増える時期もあれば、たどり着いた【踊り場】で文字通り踊り続けて、なかなか上の階に上がれない時があった。

僕の話で言えば、20階の踊り場、45階の踊り場では、まるでダンサーの様に踊り続けた。

あとから入ったセラピストにもどんどん追い抜かれたのもダンサーの時だ。

そうは言っても、ある一定のお客様には支持して頂いていたから下ることはないのだが…

常に指名客で一日中埋まるのであれば、そのままでも良いのだろうが、毎日半分のお客様が、満足度60%くらいの平凡な印象を僕に抱いてサロンを後にしているのであれば、踊り場ダンスに疲れ果て、やがて下りの階段を歩みかねない。

この、慣れてきた頃にこそ気を付けなければなるない事とは何なのか?

それは、お客様を【楽にしてあげたい】と思えばこそ、一所懸命勉強をした事をきっかけに起こる【お客様目線の視力の低下】とでも言えようか…。

別の言い方をすると、お客様が【何屋の暖簾(のれん)】をくぐって店に入って、今自分の前にいるのかが分からなくなるのである。

勉強した事を生かしたい。そして次回の指名につなげたい。

そう。自分が掲げたテーマで頭がいっぱいになっていて、しかも、なまじっかその勉強が功を奏するものだから余計に分からなくなるのである。

結果、ハマるお客様にはハマるが、ハマらないお客様にはハマらない。

合う合わないがありますからね〜。というセラピストあるある的な、お客様との相性の話とは又違うのだ。

同じ技術レベルなのに、お客様目線で【暖簾をくぐる所から自分を見る】事が出来ていない施術をしているから、半分以上のお客様の次回指名を取りこぼしてしまっている状態がかつて僕が陥った【踊り場ダンサー症候群】だ。

実際、それに気づいてからは、デビュー以来5年間以上、回数で言えば多い人は数十回レベルで、指名なしのフリーで担当したことがあるお客様に、初めて指名されるようになるという【嬉し恥ずかし現象】が激増したのである。

何か特別な技術革新があった訳ではないのだ。

だから、1階から45階に登るよりも、45階から100階(月間指名数100件)に登る方がはるかに短い時間で登る事が出来た。

逆に考えると、ずっとフリーでサロンに通い続けてくれているヘビーユーザーなのだから、僕を追い抜いていったセラピスト含め、他のセラピストにもそのお客様をつかまえるチャンスは充分にあったはずである。

僕のみならず、頑張って勉強をして仕事をしていると【暖簾の外からサロンや自分を見れる】視点が無くなってしまう状態に陥るセラピストは多くいるのだろう。

考え方だけでなく、たまには自分のサロンに裏口からではなくて、看板を見上げながらお客様になったつもりで、入ってみるという動作もやってみるといいかも知れない。

僕は、たまに自分が勤務するサロンで客としてお金を払って施術をしてもらうという事をする時には、その日が勤務日だとしても一旦全て片付けて、あとは帰るだけの状態にしてから、わざわざ玄関から入って、お客様気分を味わう事をする。

せっかくお客様目線を見れる貴重なチャンスだ。無駄にしたくない。


では、具体的に【暖簾の外から自分を見れる】と施術はどう変わるのか?

今までの施術でハマったお客様には、それなりに良かった理由があるだろうから、変化を急ぐ必要はひとまず無いだろう。

変える必要があり効果が出る可能性が高いのは、ハマらなかった多くの、指名チャンスを取りこぼしたお客様に対する【施術の手順】だ。

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