「売り込む」を捨てる
「ブランドになるためにゴミ箱に捨てる10のこと」の第4回目は「売り込む」。これをごみ箱にポイしちゃいましょう。これって頭ではわかっていることなのですが、本気でやろうとする人は少ない。
売ろうとすると、相手は距離をおこうとする
どこかから「売り込むのは商売の基本」という声が聞こえてきそう。でもね、売り込めば売り込むほど、商品は売れません。押せば押すほど、相手の腰が引けていくのです。売ろうとする努力と結果は残念ながら比例しません。
相手を知るのももちろん大事ですが、やってみるとこれは簡単そうで案外難しい。売れている人や店を観察すると、言葉少なめでも、気がつくとお客さまが「それ欲しい」といって売れています。何を伝えているのでしょうか?
売り込むよりももっと大事なことを先にしよう
どうやら、売り込むよりも大事なことがあります。それはあなた自身を「知ってもらうこと」「好きになってもらうこと」「おもしろいと思ってもらうこと」です。とくにリアル店舗はこの3点を強みにしなければ・・・。
まずは「知ってもらう」。知られなければあなたの存在はゼロに等しい。だからあ、売り込むのも知ってもらうことじゃないの?いや、そうなんだけれど、知ってもらうための内容がちょっと違うような気がするんだよね。
知っている人から買った方がうれしくなる
例えばあなたがパン屋さんだとします。売上がなければ経営は成り立ちません。だから美味しさや新商品を語ります。これがなかなかうまくいかない。さらに価格の安さやサービスを伝えます・・・こうなると空回り状態です。
あなたが「ウチのパンはどこよりもおいしくて安いです」と語っても、実はお客さまは、どこにでもある普通のパン屋だと思っているかも。だってあなたのことを知らないし、他にもパン屋さんはたくさんあるのだから・・・。
あなたのこんなことを知ってもらえたらいいのに
商品の種類や特徴や価格の前に伝えた方がいいことがあるんだよねえ。「なぜパン屋を始めたのか?」「どこでパン屋の修業をしたのか?」「何を大事にしているのか?」「誰をどのように幸せにしようとしているのか?」。
あなたは「どんな経歴を持っているのか?」「あなたの好きなこと、嫌いなことは何なのか?」・・・こういうことを知ってもらわなければ、あなたが一生懸命作ったパンはどこにでもあるパンとしか思われない。
「好きになってもらえたら」もっといいよね
「知ってもらう」に続いて、あなたに興味を持って「好き」になってもらおう。そして「おもしろい」と思えば、こちらに振り向いてくれます。これらのステップを組み立てるのが接客であり、商売なんだけどね。
興味を持つのは他との違いがあるから、おもしろいのは自分にとって意味があるからです。僕だったらジャズ好きの店主のパンを食べてみたい。だって、ジャズを通して店主の間にちょっとしたいい関係を感じるからです。