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手間暇をかけていることは、実は合理的なのかもしれない

伝統の技法を受け継ぐ「そめみち染物旗店」

和歌山県御坊市で開催された「ブランディング&ツアー」の二日目の報告です。前夜遅くまで盛り上がった交流会の余韻(お酒も少々)が残るなか、午前中に御坊市の企業2社を訪問。1社目は「そめみち染物旗店」さんです。

昔ながらの技法で、旗、幕、のれん、祭礼用品などを制作しています。代表の染道祥博さんに実際の作業工程をご説明していただきましたが、奥深い風合いと色合いを出すためには相当の手間暇がかかっているのがわかります。

「本物にこだわる」という言葉をよく聞きます。しかし、実際には薄っぺらなことが多いのですが、染道さんの仕事はまさに本物です。地方の伝統を後世を残していくためには、こういう裏方の仕事が欠かせませんね。

作業場の隣はショップになっています。オリジナルプリントのトートバックやハンカチ、祝儀袋、Tシャツ、手拭いなどが展示され、購入することができます。イエロー社長は黄色のトートバックを早速購入していました。

手間暇かけて出来上がる大漁旗、色鮮やかで迫力があります
ショップには優しい色合いの製品が並んでいます。ハンカチでできた祝儀袋はいいですね。

発酵食品で食と健康を追求する「樽の味」

昔ながらの製法でしか出せない奥深い味わいと乳酸発酵の酸味の漬物を製造している会社です。お伺いしたのは物流センター兼事務所、2代目社長の細田幸平さんは今年4月に社長に就任されたばかりです。

同社は先代の時代から漬物一筋を貫き、業務用のBtoBビジネスからスタートしました。いまではネット販売に力を入れ、ユーザ直販のBtoCの売上が優っています。聞けば細田社長の前職はIT関係、HPの充実度に納得しました。

製造販売しているのは漬物ですが、とくに沢庵へのこだわりは半端ではありません。根底にあるのは「本来食は食べることで健康になることが食のあるべき姿」という考えです。黄色に着色された沢庵はもう食べられないなあ。

その思いは漬物だけでなく、糠床、甘酒、ホワイトソースなどに広がり、漬物製造から発酵ベースの食品メーカーへの転換を見据えています。なかでもアレルギー品目を使わない商品開発の可能性がどんどん広がっていますね。

まずは物流センター内で説明を受け、」その後2階で同社のブランディングをお聞きしました
時期になるとこのヤグラに天日干しの大根がずらりと並ぶそうです

2社に共通しているのはとんでもなく「手間暇をかけていること」。非合理であっても、自分たちが信じることを貫いています。結果的にはぶれることはなく、それが一番の合理性なのかもしれない・・そんな印象を持ちました。

そして、事業の目的が明確です。 そめみち染物旗店さんは「地元文化の継承」、樽の味さんは「食を通じて健康」を追求していることがブランド価値を高めています。染道さん、細田さん、塩路さん、ありがとうございました。

こちらが初日に開催した「セッションの報告」です


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