ハーブと小さな会社には、強みの共通点がある
S &Gを聴くと、甘くて、苦い思い出がよみがえる
僕らの世代にとって「サイモン&ガーファンクル」はちょっと特別な存在だ。その音楽を耳にすると、気持ちが揺さぶられる。なかでも、映画『卒業』に使われていた曲は、映像と重なり、甘くて、苦い思い出がよみがえる。
随分前のことだが、高校を卒業し、東京に行く日に、付き合っていた一つ年下の彼女と、甲府の映画館で『卒業』を観た。その後、お互いにいろいろなことがあり、数年後に付き合うのをやめた。それ以来、会っていない。
『卒業』に話を戻そう。「サウンド・オブ・サイレンス」、「ミセス・ロビンソン」、「4月になれば彼女は」、「プレジャー・マシーン」、「スカボロー・フェア」など名曲揃いだ。とくに好きなのは「スカボロー・フェア」だ。
「Parsley, sage, rosemary and thyme」の意味
「スカボローフェア(Scarborough Fair)」の源は、イングランドの伝統的な民謡だという。「Scarborough」は、英国のヨークシャー州にある海岸の街で、「Fair」は市場のこと、日本語に訳せば、「スカボロー市場」になる。
ずっと謎だったのは、合いの手のように何度も入る「Parsley, sage, rosemary and thyme」というフレーズだ。どれもハーブなので、市場で売っていることだと思っていたが、あるとき、本当の意味を知った。
かつて、ハーブは病気や怪我から身を守る薬草として使われた。そのため、災難や悪霊を遠ざける力があると信じられていた。つまり、「Parsley, sage, rosemary and thyme」は、悪霊から身を守る「おまじないの言葉」だった。
お客さまは私の真のファンになる
「S &G」、「卒業」、「ハーブ」へと話題は転がるが、自宅で「ストリベリーミント」、「ローズマリー」、「オレガノ」を育てている。三連休に「チェリーミント」と「バジル」を挿し木で鉢に植えながら、思ったことがある。
ハーブと小さな会社には、強みの共通点があることだ。「柔軟性が高く、変化への適応力がある」、「それぞれが強い個性を持っている」、「限られた資源で成果を出している」、「ニッチな価値を提供している」・・まだありそうだな。
スカボロー・フェアで繰り返される大事なフレーズがある。「Then she'll be a true love of mine(それができたら、彼女は私の真の恋人になる)」。「小さいことの強みを活かせば、お客さまは私の真のファンになる」、深読みかな?