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「比較を能力の優劣だと考える」を捨てる

小さな会社のブランディングを支援しているクエストリーの櫻田です。「ブランドになるためゴミ箱に捨てる10のこと」という記事を書きます(不定期です)。仕事を通じて経験したことが山ほどありますが、10本に絞ります。

第1回目のゴミ箱行きは、「比較を能力の優劣に考える」。「すべての悩みは比較から生まれる」という言葉があります。でも、他と比較しないでいられるかというと、これは難しい。大事なのは「比較」のとらえ方です。

比較から生まれる違いを「能力の優劣」ととらえる

問題は、比較から生まれる違いを「能力の優劣」だと思ってしまうことです。「比較→違い→能力の差」ととらえるから悩み(あるいは安易な喜び)が生まれます。ライバルとの比較だとこれはさらに増長します。

なかには自分は劣っていると思い、自分を責める人もいます。相手をねたみ、憎む人もいます。もちろん、その逆もあります。「自分の方が勝っている、有利だ」でいい気分に浸る人もいます。まあ、短絡的な思考の癖です。

優劣という考えから生まれる不毛な競争

「優劣などつまらない悩み」と一笑に伏せればいいのですが、そうはなかなかいきません。比較から生まれる悩みは、必ずネガティブな感情につながります。個人ならまだしも、これが会社単位の感情となると、相当厄介です。

違いを能力の差と考える経営者は、競争相手に勝つことが経営の目的になるからです。相手の動きが気になり、過剰に反応し、振り回されます。この負の循環によって、顧客不在の「相手に勝つための手段の追求」に陥ります。

相手には相手の強みが、自分には自分の強みが

比較とは「能力の優劣をつけること」ではなく、「違いを認識すること」です。随分前に聞いた話ですが、ある和菓子屋さんは、新規出店の際に無用な競争を避け、競合店の一番商品とかぶらないように品揃えをするそうです。

ブランディングのシナリオは競争ではなく、お互いが成り立つ共存にあります。相手には相手の強みがあり、自分には自分の強みがあると冷静に違いを認める。すると、競争とは無縁の自社独自の立ち位置が見えてきます。

優劣であれこれと悩むよりも、自分だけの価値を磨き高めることに全力を注いだ方が健康的です。社内の考えが健康になるとポジティブな文化が生まれてきますよ。これが正の循環となってブランド力を高めていきます。


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