見出し画像

「小さな会社=強い会社」の条件は何か?

息子が大学生だったときに交わした就職についての会話

「就職は中小企業、できればベンチャーを選べ」、それに対して「有名な大企業で、高い給料をもらって、おもしろく働きたい」・・・これはいま31歳の息子が大学生だったときに、就職について僕と交わしたものです。

僕自身はずっと小さな会社で働いてきました。大学卒業後、30名ほどの会社に就職し、22年間勤務後に退職。3年間のフリーランスを経て、クエストリーを設立、今期で19期目です。現在の社員は僕も含めて3名です。

息子は自分の考えに沿ってそれなりに有名な企業に就職しました。仕事の話はほとんどしないので働きがいを感じているかはわかりません。まあ、働きがいは自分次第であって、会社の規模や業種、職種などは関係ありません。

企業の規模に関係なくプラスとマイナスがあります

息子への言葉は「大企業はダメ」という意味ではありません。息子の性格と時流を見てのアドバイスです。大企業、中小企業、小規模企業、フリーランスのそれぞれにプラスとマイナスがあることはいうまでもありません。

中小企業庁は、中小企業者を資本金と従業員数で定義しています。これに当てはまらないのが大企業です。まあ、日本の企業数の99.7%、従業員数の約70%を占める企業群の一つの基準と思えばいいくらいのことです。

弊社のコンセプトは「ブランディングで中小企業と地域のいまを輝かせる」です。僕は中小企業を「小さな会社」と表現しますが、そこには、中小、小規模、フリーランスも含まれ、規模だけではない意味も含んでいます。

差別化は目的ではなく、目的を実現するための過程の現象です

ブランディングの基本は「差別化」です。ところがこの差別化は簡単ではありません。日々膨大な情報が日々増え続けているいま、何かを選ぶために検索すると、似たような商品やサービス、店舗や企業が大量に出てきます。

差別化は簡単ではありません。なぜ差別化する必要があるのでしょうか。僕の答えは「独自の価値で、顧客の支持を得て、ファンが生まれる」「ファンは売上と利益を継続的にもたらしてくれる」、やはり差別化が必要です。

差別化は目的ではありません。目的は「自社の価値を支持し、ファンになってもらい、業績に貢献してくれる」ことです。自社が提供する独自の価値を、愚直に突き詰めたその先に、自然とあふれ出るのが差別化です。

差別化よりも先に考えて、実践しなければならないこと

矛盾するようですが、小さな会社は一旦差別化を忘れましょう。差別化よりも「好きを磨き上げ、強みにする」ことが大事です。好きなことを、とことん突き詰めると、他にない強みが生まれ、これが差別化につながります。

大企業は業績のために大きな市場を優先します。反面、小さな会社は、自分たちが好きで、人の役に立つ市場を深掘りすれば十分儲かります。小さな会社は弱いのではなく「小さな会社=強い会社」の意味がここにあります。

ただし、欠かせないものがあります。それは、自分たちが好きで、人の役に立つことを、何としても実現するという「思い」です。その思いに共感し、ファンが生まれる・・・この積み重ねが小さな会社のブランディングです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?