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異業種からの学びがもたらす新たな視点
多くの経営者は同業他社から学ぶのは得意ですが、異業種から学ぶのは案外苦手です。端から「業種が違うので参考にならない」と思っていると何も得られない。一方「いい話だなあ」だけで終わってしまう人もいます。
「どこに目をつければ良いのかわからない」という意見も多くあります。ノウハウ的なことを得ようとすると、ますますわからなくなります。自社を基準に考えると「ウチには合わないなあ」になってしまう。
僕が代表をしている株式会社クエストリーは、中小企業のコミュニティ「ブランディングクラブ」を主宰しています。現在の会員は24社、業種も業態も規模もエリアも異なります。企業だけでなく、個人会員もいます。
会員のなかで「異業種から学ぶのが上手だ」と思う経営者は何を見ているのでしょうか。次の4つのポイントに着目しているように思います。
1.全体を把握して成功のポイントを見つけ出している
2.成功のポイントが成り立っている要素を考えている
3.足したり引いたりして自社の状況に合わせている
4.自社のどこに取り入れればいいかを決めている
どれも当たり前のように感じられるかもしれませんね。しかし、大事なことを語ってくれた方がいました。それは「相手の会社や店の客になったつもりで見たり聞いたりしている」のだそうです。
多くの方は会社側や店側に立って異業種の事例と向かい合いますが、その方は客として見ています。「これいいなあ、こんな風にされたらうれしくなるなあ」と客立場でとらえているのです。もちろん、その反対もわかります。
1と2のポイントは客の立場でつかまえる、その上で3と4のポイントは自社の立場で考える・・異業種から学ぶにはこの視点が重要です。やってみると大きなヒントが手に入ります。