お節介から生まれる共感と支え・・お節介心がもたらす組織の活性化
思わず「大丈夫ですか?」と声を掛けました
雪が降った夜のこと、杖をついた年配の男性が傘もささずに道路に立っていました。声を掛けるとタクシーを待っているとのこと。「大丈夫ですか?」と尋ねると「寒いけど大丈夫です」。その横を多くの人が通り過ぎて行きます。
地下鉄の車内で若い男性がしゃがみ込んでいました。周囲の人はスマホを見ているだけ。思わず「具合が悪いのですか?」と声を掛けると弱々しい声で「大丈夫です」、二つ先の駅で立ち上がり、ふらふらと降りて行きました。
駅の券売機の前で外国人4人が何やら話していました。「May I help you? 」と話し掛けると「□○△☆・・」(何語かわかりません)、そして笑顔で手を横に振っています。おそらく大丈夫ということと思い、改札を通りました。
「お」をつけるかどうかで意味が違ってきます
声を掛けたことを自慢するつもりは毛頭ありません。余計なことをして変なことに巻き込まれたくないという気持ちもあります。人によってはお節介なことをしていると思うかもしれません。
お節介は「出しゃばって世話を焼くこと。不必要に人のことに立ち入ること」を意味します。本人は良かれと思ってやっていることでも、された側は実は迷惑・・そんなネガティブなイメージがお節介にはあります。
しかし、お節介から「お」をとった「節介」になると意味が異なります。節介とは「節操(正しいと信じること)を守り、世俗(世の中)に流されないこと」です。お節介と節介、「お」をつけるかどうかで意味が違ってきます。
お節介の文化があった方が組織は活性化します
お節介は見方を変えれば「人と積極的に関わろうとする姿勢」です。我関せずではなく、目的や課題から逃げずに自ら関わっていくことです。「めんどうくさいこと、余計なことは避けたい」という考えも否定はしません。
しかし、そういう人たちが集まった組織は、どこかに寒々しい雰囲気が漂っているように感じます。相手が望んでいないのに出しゃばって世話を焼くのはどうかと思いますが、「お節介の文化」があった方が組織は活性化します。
お節介の文化とは「自分ならこう思う」を発信できることです。波風が立たない組織は劣化します。摩擦や対立もあるかもしれませんが、「お節介=積極的な関与」はブランディングに取り組む組織に求められる大事なDNA です。