東京大学の夏目漱石の名作に登場する「三四郎池」に行ってみた
夏を思わせる暑さの先週の土曜日、地下鉄に乗っていて、「そういえば行ったことないなあ」と思いました。どこかというと東京大学です。Google マップで調べると、仕事場から徒歩で30分弱の距離、こりゃあ、行けるなあ。
なぜ東京大学かというと、校内にある夏目漱石の『三四郎』に出てくる池を見たかったからです。「三四郎池」と呼ばれているそうですが、どんな感じなのかと思ったのです。まあ、気まぐれです。
この小説の最初の方に、九州から上京してきた三四郎が、東大の知り合いを訪ねていくシーンがあります。三四郎は大学校内の池のほとりに座り、思索にふけるのですが、この池が三四郎池です。見てみたくなりますよね。
午前中は仕事場で片付けものをして、お昼すぐに向かいました。校内に入れなかったらどこかの公園で食べるつもりで、おにぎりとサンドウィッチをバッグに、ビールは校内なのでやめておきました。
赤門を目指したのですが、先に着いたのは東大正門。「学校関係者以外立ち入り禁止」と書かれていて、入口には警備員もいます。しかし、家族連れなどがすいすいと入っていくので、こちらも一緒にGO。
入ったはいいのですが、広くてどこに何があるのかわかりません。案内看板を見て、銀杏並木を歩いていくと、左手に入ったところに大きなイチョウの木のある広場があったので、ここでランチにすることにしました。
周りにはベンチが置かれ、思い思いに読書や食事をしています。子供たちは周りを走り回っています。スタバの紙カップを持っている人が多いなあと思ったら、すぐ近く建物のなかにスタバがありました。
さて、肝心の三四郎池です。Google マップでは駐車場の奥の小道を降りていくのですが、これがかなり急な坂道です(後でもっと楽な行き方があるのを知ったですが・・)。しばらくすると、視線の先に水が光っています。
着きました、鬱蒼とした緑のなかにある三四郎池です。漱石が「森の中」と書いているように、周囲はまさに森の雰囲気です。小説では三四郎の友人の野々宮君が池の様子を次のように語っています。
江戸時代は加賀藩邸の庭園の一部でしたが、明治に入って東京帝大に移管されました。漱石の小説『三四郎』が世に出ると、いつからか「三四郎池」と呼ばれるようになったのだそうです。
池の周りを歩こうかと思ったのですが、起伏があるし、暑いので、坂を上り、安田講堂の前に移動。1968年の東大紛争では全学共闘会議が占拠し、機動隊によって強制排除された場所です(ニュースで見たなあ)。
再び東大正門を出て、弥生坂を下り、根津界隈を歩きながら、仕事場に戻ってきました。喉がからっからだったので、よく冷えたビールをぐいっと飲む、うまいなあ。まあ、ちょっとした土曜日の小さな旅でした。