TechnicsSB-F40は人生の決断くれた”人間万事塞翁が馬”
筆者の資料を整理していたら、昔、Technicsに在籍中に開発したSB-F10,F30の商品記事が出てきたので記憶の資料として記載する。
テクニクスがミュンヘン国立応用美術館にパーマネントコレクションとして加わった。
Technics コンポーネントは SL-10 Linear Tracking ターンテーブル、RS-1500USオープンリールデッキ、SB-F40、SB-F1スピーカーシステム、およびEAH-T4ヘッドフォン
日本一のブランドとしてのテクニクス
昔々のお話しであるが、1981年初め頃の開発と思うが、天面と底面を後端にを延長した面が45度で交わる角度で互いに傾斜させることで、数個のスピーカキャビネットを整然と連結して、 指向性を改善するようにデザインしたマルチパーパス・スピーカシステムである。
従来のスピーカシステムは、直方体状のスピーカキャビネットにスピーカを取付けたものがほとんどである。 そのため音源の放射軸が水平方向に固定されるほか、数個のスピーカシステムを連結して一群のスピーカシステムを組む場合にも、 縦または横に平面的に連結することである。
一部にはスピーカキャビネットの後方下面を斜めにカットし、 このカット面を床などに置くことにより、 スピーカを傾斜させるものも知られるが、 この種のスピーカシステムは数個のスピーカシステムを縦方向に重ねて配置することが困難であり、 また横方向に連ねて配置すれば平面的にならざるを得ないという問題がある。
マルチパーパス・スピーカシステムの発明は、このような従来の問題を解決するスピーカシステムを提供するものである。 樹脂成型とアルミダイカスト等で一体に成型されたスピーカシステムである。
スピーカシステムからの音が垂直方向に伝播することになり、トータルの指向性や音のエネルギーすることができる。
また4つのスピーカを連絡すれば1つの面前方ほぼ180度に放射されるようになり、指向性の改善と壁面バッフル 効果による音の改善とを同時に図ることができる。
さらに8つのスピーカシステムを重ね合わせれば、完全な無指向性のスピーカジステムを構成することができる。
またバッフル面には、ウーハが取付けられるとともに、サブバッフル板 が回転自在に取付けられ、このサブバッフル板にスコーカとツィータが取付けられている。
すなわち、サブバッフル板を回転させることにより、 指向性の強いスコーカアとツイータの配置位置を希望する特性が簡単に得られるようになっている。床面あるいは机の上面等にスピーカキャビネットを設置すれば、 音波の放射軸が床面等から22.6度の方向になり、聴取者に直接音が伝わるようになる。
室内や車内などにも対応するマルチパーパス・スピーカシステムは、様々なスペースに対応するコンパクト3ウェイスピーカーシステム。低域には14cmコーン型ウーファー、中域には6cmコーン型ミッドレンジ、高域には1.4cmチタンドーム型トゥイーターを搭載している。
トゥイーターとミッドレンジのユニット配列を90゜回転でき、バスレフ型(縦置き)にも密閉型(横置き)にもなる。エンクロージャーは後部を45゜角にカットした構造となっており、コーナーやデスクの横置きにも対応している。
室内や車内などにも対応するマルチパーパス・スピーカシステムは、様々なスペースに対応するコンパクト3ウェイスピーカーシステム。低域には14cmハニカム平面ウーファー、中域には5.2cmハニカム平面ミッドレンジ、高域には2.8cmハニカム平面トゥイーターを採用したオールハニカム平面構成となっている。
トゥイーターとミッドレンジのユニット配列を90゜回転でき、バスレフ型(縦置き)にも密閉型(横置き)にもなる。
エンクロージャーは後部を45゜角にカットした構造となっており、コーナーやデスクの横置きにも対応し直接音を聴く配慮をした。
使用状態に応じてA(8Ω)/B(4Ω)の音質切換スイッチを搭載している。特に4Ω時にはフィルター回路が働き、高域をカットすることでカーコンポなどの高域ヒスノイズを押さえている。
SB-F40は車載を考慮している。EAS-14PL38S(ウーハ)のエッジが繊維系
14cmのユニット採用はこの1機種のである。(高温対応)
ノーマルよりは低音域が鳴る。それに音圧レベル 87dB、高音域も35KHz
まではのびるのでデジタルの音源にサクサク反応してくれる。
SB-F20・SB-F40平面ハニカム構造スピーカーシステム
この商品は、日産のスカイラインにも搭載した。
筆者の提案で技術者とのスキルが結実したスピーカで私の記憶に深く刻まれた商品となった。いろいろな事がありましたが、おかげで、憧れていた松下電器産業株式会社に入社出来、憧れていた人の部下となり、多くのヒット商品をデザインさせていただき、多くの人に支えられ、多くの夢を結実させていただいたインハウスデザイナーの役割から(有)アイ・シー・アイデザイン研究所の企業経営者として進むことなりました。
退社後も松下関連事業所(ビデオ事業部本部・電化事業本部・自転車事業部・録音機事業部・松下電工・松下興産・松下住設・乾電池事業部・AVC社)から仕事をいただき、事業部では経験できなかった分野に身をおくことで第2の人生を感動と喜びで築くことができた。2000年前後から海外(台湾・韓国・インドネシア・中国・タイ)などの仕事もすることができた。
インハウスの時は予測的というか、計画的というか思いのままの人生であったが計画外の心境で人生の転換をはかったが、
これが
人生とは ”人間万事塞翁が馬” を深く深く感じることになった。
人との新たなつながりや出会いは素晴らしい人生ものがたりとなった。
皆様のおかげと感謝ばかりである。
合掌