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自惚れて上等

自分を満足させられないで、一体誰を満足させる気なのだろう。


いい作品は大抵、勘違いから生まれる。


これは名言でもなんでもない、別にいい作品なんか作ったことのない私の意見だ。この発言が先ず自惚れであろう。
ただし、これにも一理ぐらいはあると思う。

そもそも「素晴らしいもの」の基準は、世間で話題になっている、大衆に価値が認められたものがほとんどだ。それ以外のものは見向きもされない。
でもその界隈では有名だとか、名のある人たちがこぞって賞賛をしているなどという言葉を耳にするが、実際それも大衆受けしなければ世間に知れ渡ることもなく、日の目を見ることなどまずない。

このような社会で、自分の生み出した作品を世に出すという行為は自惚れ以外の何でもないと思う。自分の意見を述べることで、知らない誰かを傷つけたり、反感を喰らうことだってある。そして何より、誰にも見てもらえない。無視。これが一番キツくて一番多い。

それでも誰かに見てもらいたい、誰かから評価されたいという気持ちと勘違いが、羞恥心や恐怖を上回った時に初めて「いい作品」の土俵に上がることができる。

そこからの良い悪いは、自分ではきめられない。
どんなに自分の作品に最高の自信があろうとも、ほとんどは表現の大海の藻屑となり、静かに生まれて消えていく。なんて切ないの。

ただし、それでも土俵に上がれた人と上がれなかった人では、天と地ほどの差がある。一瞬でも誰かの目に触れた可能性があるわけだ。自分の心の中にそっと仕舞い続けていたのと訳が違う。言葉の責任だって生まれる。
そしてその差を生んだのも、結果を顧みずにただ愚直に自分の「いい」をどれだけ信じ勘違いし続けられたかにあると思う。

自己満足上等。
今日も私は勘違いし続け、恥ずかし半分、自惚れ満点の文章を投稿していく。

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