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求む、ブルーベリー・マフィン

 先月、あの本を読んで以来、ブルーベリー・マフィンに取り憑かれています。
 どなただったか失念してしまったのですが、自分で焼いたマフィンの写真を投稿なさっていた方がいらして。
 私もあの本に出ていた曲のプレイリストを作ったりしているので、分野によっては凝り性なのですが、お菓子作りは…。

 断捨離の時にオーブンを捨ててしまったから、というのは言い訳で、オーブンがあった頃も、私が作るおやつといえばホットケーキミックスで作るホットケーキと(これを手作りと言えるのか?)ホットケーキミックスで作る型抜きクッキーだけ。
 ダイソーで買い揃えたクッキー型を多用して、「わっ、色々あるね。どれから食べよう?」とおやつの種類がバラエティーに富んでいる感を演出していたものです(男の子はシンプルで助かる。女の子なら、全部同じ味だよ! と突っ込んできたはず)。

 自分では作れないので、家や職場の近所のお店をチェックしてみたのですが、案外ないものですね。
 とりあえず、スタバのブルーベリー・スコーンで代用(前は、マフィンもあった気がするんだけどな)。

スタバのブルーベリー・スコーン

 美味しいけど、このサクサク感は紛うことなきスコーンのものだ。

 今日は、アフタヌーンティーでカボチャ&クリームチーズのマフィンを買ってみました。

アフタヌーンティールームのマフィン

 写真だと焼き芋みたいにも見えるけど、ふかふかおいしいマフィンでした。普段あまり甘いものを食べないので、ひとしお美味に感じます。
 別の味を食べたことで、ますますブルーベリー・マフィンを求める気持ちが強くなってしまいました。

私はブルーベリー・マフィンのことを思った。駅前のコーヒーショップのスピーカーから流れる、ポール・デズモンドのアルトサックスの音色を思った。尻尾を立てて庭を横切って歩いて行く瘦せた孤独な雌猫のことを思った。それらは私の精神をこの世界に少しなりとも繫ぎ留めているだろうか? それともそんなものは、語るに足らないあまりに些細な事象なのだろうか?

村上春樹『街とその不確かな壁』より

 我が家のスピーカーからもポール・デズモンドのアルトサックスが流れてきます。猫はいないけど、雨の日に伊豆で作った生真面目な表情のテディベアもちんまり座っています。
 足りないのはブルーベリー・マフィンだけ。

 東京の東側(村上さんの小説に登場しない側)で買えるブルーベリー・マフィンをご存じの方がいらしたら、ぜひ教えて下さい。


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