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愛犬が認知症になった話

名前 漣(れん)14歳
犬種 柴

れんくんの漣は俳優の大杉漣さんから付けたものだ。名前は両親が決めた。

さて、れんくんの様子が最近おかしい。

例えばこの写真。

一見、外にいる僕に寄ってきた愛くるしい写真に見える。しかし、そうではない。珍しく外に向かってれんくんが吠えるので僕が見に行ったのである。

れんくんは変わらずうるさく吠える。猫や蛙がいて吠えることはよくあるのだが、どこを探しても見当たらない。吠える原因を探していたのだが分からず、とりあえずその場から引き離すことにした。

そこで、僕は違和感に気づいたのだ。れんくんがバックしない。というか、できないような感じ?左のフェンスと右の犬小屋に挟まって動けない感じがしていた。

僕は無理やりれんくんを掴んで後ろに引いた。自由の身となったれんくん。すると、さっきまでうるさく吠えていたのが嘘のように静かになった。何事もなかったのように寝転がっていた。


もう一つ違和感というか異変が生じている。
それは、同じところをぐるぐる回って歩き続けることである。れんくんは14歳で2年前から日中でもよく寝ていることが多くなった。体力も衰えているはずなのに、狂ったように同じところ(家の廊下や庭)を歩き続ける。それも、約30分から1時間なんてことはザラだ。

流石におかしいと思った僕は「柴犬 歩き続ける」で検索した。すると、認知症がヒットした。

症状の説明を見ていくと、驚くべきことに先ほどの違和感と異変が見事に書かれていた。隙間に挟まって出れなくなり、ストレスや不安を感じで興奮したりする。また、歩き回り体をぶつけたりする。

れんくんは認知症になってしまっているのかも知れない。

今日もぐるぐる廊下を歩き回っていたのだが、たたきの段差に気づかず下に落ちることが3回もあった。

れんくん認知症なのかな。

愛犬の突然の老いを感じると悲しさが溢れてくる。
れんくんと出会ったのは僕が8歳の時。祖父母の知り合いから譲り受けた。それまで、犬を飼いたいとずっとねだっていた僕ら兄弟は大喜びでれんくんを貰いにいったことを覚えている。

生まれたばかりのれんくんは熊みたいで本当に可愛かった。

それからすくすく成長したれんくん。れんくんは元気でワンパクで僕らのグローブを片っ端から噛みちぎった笑

今では、グローブに目もくれない。

小学生の後半になると庭を駆け回るれんくんと競争したり、庭でボール遊びもした。

今では、ボールを投げても取りに行ってくれない。

れんくんと一緒にいれる時間はもう残りわずかなのかも知れない。それは、2年前によく寝るようになってからずっと感じていることだ。

いつか、愛犬がこの世からいなくなる。

それは、わかっていたことだが想像すると悲しい。

そこで、僕はれんくんといつお別れになってもいいようにしていることが一つある。

それは、れんくんに
「れんくん今日も可愛いね。大好きやで。」と話しかけることだ。

それは、小学生の国語で勉強した「すっとだいすきだよ」から習ってしていることだ。エルフィーに「だいすきだよ」と主人公は口にして伝えている。

僕は、それはいいことだと思って5年ほど前から意識してやっている。

れんくんと散歩できるのも、ボール遊びするのもあと少ししかないのかも知れない。そんな貴重な時間を大切にしてこれから過ごしていきたい。

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