ある児童施設でのお話
その施設で働く寮母さんが50歳を過ぎた老眼鏡を必要とする我が身にショックを受けました。いやだけどしょうがない。仕方なく老眼鏡をかけていました。
ある日のこと、施設の子どもが声をかけてきました。
『先生、眼鏡かけているの?』
寮母さんは、恥ずかしさと腹立たしさから、『老眼鏡さ』と言い放ちました。すると子どもは意外な返事をしました。
『よかったね』
寮母さんが『何がよかったの?』と聞き返すと、その子はこう答えたそうです。
『老眼鏡がかけられるまで生きられてよかったね』
その施設で暮らす子どもたちは、成人するまで生きられるのが難しい障害を負った子どもたちでした。
幸せはなるものではなく、気づくもの。