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二十九歳からの不安定生活入門

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二十九歳の春。 気の毒なほど優しい團さんと、あけすけで大雑把な篠宮に見守られながら、不安定な暮らしと仕事を始めた。そんなフィクション
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#仕事

2月22日 家が決まる

2月22日 家が決まる

「お前、もうしばらくそっちに住んでもらわんとなあ、すまんな」
川本次長がたいへん申し訳なさそうに、そう電話をかけてきた。広島で、家を探すことになった。もちろん家賃は会社が出してくれるし、マンスリーマンションで会社が指定してくれる物件の中でだったら、どこに住んでも良いと。團さんも篠宮も、鹿児島から広島に引っ越して、現場と下宿の往復を続けてもう二年近くになるらしい。

そういえば、転職前の会社は、親元

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