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バカと無知(読書ログ)

こんばんは、TKです。

今日の読書ログはこちらの一冊。
刺激的なタイトルの新書には、自身の価値観を覆されます…!
それがまた、面白いんですよねぇ。

本の概要

本書は、「きれいごと」が蔓延する世の中において、その残酷な真実を解き明かしてくれる一冊です。

そこから、TKとして衝撃だった内容を3点紹介させてください。

バカの問題は、自分がバカであることに気づいていないこと

(表現がストレートですが、本書の伝え方に沿って記載させていただきます)

「バカの問題は、自分がバカであることに気づいていないこと」なのです。。。
自分の能力についての客観的な事実を提示されても、バカはその事実を正しく理解できず、自分の評価を修正しないばかりか、ますます自分の能力に自信をもつようになる。まさに「バカにつける薬はない」のです。。。
そして、バカは原理的に自分がバカだと知ることはできない(ダニング=クルーガー効果:能力の低い人が「実際の評価と自己評価を正しく認識できずに、誤った認識で自身を過大評価してしまう」こと)。すなわち、私も、そしてあなたも、ある点においては、自分はバカであり、それに気づいていないのである。

自尊心との闘い

自尊心というのは、要するに他者の評価のことです。ヒトは徹底的に社会的な動物なので、他者からの評価が自尊心や自己肯定感と結びつくように「設計」されています。
そして、自尊心が下がることを、殴られたり蹴られたりするのと同じように感じるらしく、ナイフで刺されることと、面とむかって批判されること(いまならSNSで炎上すること) を区別できないのだとか。(なぜなら:脳は感覚器官からの入力を処理するだけだから)
ヒトは数百万年かけて、どんなことをしてでも自尊心を高く保つ一方、自己肯定感が下がる事態を死にものぐるいで避けるように進化してきた。
結果、他社からの評価に強い関心を持ち、その影響が自身に大きく出るようになってしまっているのです。

すべての記憶は偽物

近年の脳科学のもっとも大きな発見のひとつは、脳には記憶が「保存」されていないことです。脳はビデオカメラのように、起きたことを正確に記録し、いつでも再生できるようにしているわけではありません。なんらかの刺激を受けたとき、そのつど記憶が新たに想起され、再構成されるのです。記憶はある種の「流れ」であり、思い出すたびに書き換えられているということなのです…!

その証明として、本書で記載されていた記憶の捏造実験の内容を紹介します。

 きわめて簡単な方法で偽りの記憶を埋め込めることを実証してみせた。それが「ショッピングセンターの迷子記憶実験」だ。

 ロフタスの学生の一人は、 14 歳の弟に子どものときに起きた出来事を4つ示し、それについて思い出したことを毎日、日記に書くように求めた。そのなかに、5歳のときにショッピングセンターで迷子になったというつくり話をまぎれ込ませておいた。すると弟は、早くも1日目の日記で「親切なおじさん」を思い出し、数週間後には、そのおじさんが青いフランネルのシャツを着ていたことや、頭がすこし禿げて眼鏡をかけていたことなど、細部を説明するまでになった。兄から、ショッピングセンターで迷子になった記憶が偽りだと告げられても、弟は信じようとしなかった。それに対して、実際に起きた出来事の1つは、最後までまったく思い出せなかった。

 なぜこんなことになるのか。それは記憶が、パソコンのハードディスクに保存されているようなものではなく、流動的でつねに書き換え可能だからだ。  誰でも子ども時代に迷子になって不安に思ったことや、家族と一緒にショッピングセンターに行った思い出があるだろう。すると、実際に起きていない出来事であっても、ちょっとしたきっかけで、こうした記憶の断片が簡単に結びついてしまう。だが被験者は、この過程を「忘れていた記憶が蘇った」と体験するため、捏造された記憶が〝事実〟になってしまうのだ。

記憶とは、脳で再構成された情報でしかない。常に変わりゆくものなのです。

最後に

あとがきの文章が、本書の辛辣さを伝えるのに最適でしたので、紹介させてください。

~前略~
 当然のことながら、ふつうのひとたちはこんなことにはかかわろうとしない。人生に投入できる資源は有限で、その大半は仕事や家族・恋人との関係に使われるからだ。ネットニュースに頻繁にコメントするのは昼間からワイドショーを見ているひとたちだが、それは平均とはかなり異質な母集団だ。
 まともなひとは、なんの「生産性」もないSNSの論争(罵詈雑言の応酬) から真っ先に退場していくだろう。このようにして、まともでないひとたちだけが残っていく。そう考えれば、いま起きていることがうまく説明できるだろう。解決にはならないだろうが。
 人間というのはものすごくやっかいな存在だが、それでも希望がないわけではない。一人でも多くのひとが、本書で述べたような「人間の本性=バカと無知の壁」に気づき、自らの言動に多少の注意を払うようになれば、もうすこし生きやすい社会になるのではないだろうか。自戒の念をこめて
~後略~

自分の人生を、少しでも生きやすくするために、、、
常に学び続けたいと思いましたし、そのためにも読書は続けていきたいと思わせてくれる一冊でした。

いつも、最後まで読んでいただきありがとうございます!

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