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心臓に関する小話

2~3分程度の短いPodcastをMicrocastというらしい。

最近海外で増えてきているらしいので、この波に乗れとばかりにやってみることにしました(笑)

健康福祉小話、という番組を作りました。

今回は、その番組で話した、心臓の話、の内容をまとめました。

心臓は4つの部屋からなる生体ポンプ

心臓は4つの部屋からなる生体ポンプです。一定のリズムを刻むシステムを持っていて、1分間に約5l、一日に換算すると7200lもの血液を全身に送り出しています。これってかなり高性能なポンプです。もちろん血液の送り出しは心臓のポンプ機能以外にも、動脈自体の拡張や収縮、筋肉の運動が補助的に関わっています。
7200lってどのくらいの量かピンとこないと思います。
お風呂の浴槽の水の量が一般的に200lだといわれています。だとすれば、心臓は1日に浴槽36回分、1か月ちょっとのお風呂のお湯と同じ量の血液を、1日に送り出してる感じになります。
年齢によっても、送り出す血液量は変化しますが、産まれてから死ぬまで、体に必要な血液を毎日送り出してくれています。
この素晴らしいポンプ機能ですが、心筋という特殊な筋肉があってこそのものなのです。
この心筋に栄養をや酸素を届けているのが、冠動脈と言われる血管です。
この冠動脈の内側にコレステロールなどがへばりついて、通り道が細くなったり詰まったりすると、心筋に必要な栄養が送れなくなって、最悪心筋が死んでしまいます。
これが、狭心症とか心筋梗塞とか言われる病気です。
心臓がうまく動かなくなると、血液を十分に送れなくなって、体を動かすことが難しくなります。
このようにならないために、油物を控えたり野菜をたくさんとる、適度な運動をする、など健康に気を付けた生活をする必要があるのですが、その生活をずっと続けていくのって難しいです。
一度にたくさんのことを変えるのではなく、無理なく続けられることから生活を変えていく、そんな緩い感じで自分の健康と向き合うのもありかもしれない、そのように思っています。

心臓の刺激伝達系

心臓は一定のリズムを刻み続けるためのシステムを持っています。まずはッ心臓の4つの部屋について、その位置と名前です。

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紙にハートマークを描いてそれに十字の線を入れます。これを自分と対面している人の心臓だと仮定すると右上から時計回りに、右心房→左心房→左心室→右心室、という名前がついています。
心臓をが一定のリズムを刻む、その命令を出している部分は、右心房にあります。この部分を洞結節といいます。ペースメーカー細胞とも呼ばれています。
洞結節から出た命令は、心房中隔という心房を左右に分けている壁にある、房室結節という中継地点に3本の特殊な心筋によって伝えられます。
房室結節からヒス束という、これも特殊な心筋が出ています。このヒス束は洞結節から出た命令を心室中隔に伝える役目をしています。
ヒス束の先は右と左に分かれて、その後はさらに細かく網目状に分岐して心室全体に命令を伝えます。
網目状に分岐している部分を、プルキンエ線維といいます。

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このように命令が伝達されて、心臓は一定のリズムで動いています。
もし、洞結節が命令を出さなくなったら・・・。
すぐに心臓が止まってしまうわけではなりません。房室結節や心筋も一定のリズムを刻めるような機能を持っています。ただし、洞結節よりもそのリズムはゆっくりで、房室結節が刻むリズムは1分間に60回程度、心筋が自動的に刻むリズムは1分間に30回程度とかなり少なくなります。ちなみに、正常な心臓のリズムは70~80回程度です。
このように、心臓が自動的に動くシステムを持っているのは、全身に必要な酸素や栄養を運ぶ血液を送り出すための大切なポンプだからです。生きていくために極めて大切な臓器なので、動き続けることのできるシステムが進化の過程で備わったんだと思います。

心不全について

心臓の動きが悪くなると血液を送り出すためのポンプ機能が障害されます。これが心不全です。
心不全になると、低血圧、動悸、疲れやすくなる、おしっこの量が減る、などの症状が出ます。また、心臓から血液がスムースに送り出されないことで、血液循環が悪くなり全身に血液がたまる、うっ滞、が起こります。
このうっ滞によって、体がむくんだり、息苦しさが起こります。
体がだるい、体がむくむ、ちょっと動くとしんどい、などの身近な症状が実は心不全が原因だった、というケースは意外に多いです。
心不全は、左心室の動きが悪くなる左心不全と、右心室の動きが悪くなる右心不全に分けられます。左心不全も右心不全も放置しておくと、やがて心臓全体の動きが悪くなってしまいます。
左心不全は、全身に血液を送り出すポンプ機能が低下するため、左心室や左心房に血液がたまります。そうなると肺から心臓に戻ってくる血液の行き場がなくなり、肺に血液がたまることになります。これが肺うっ血です。こうなると、肺でのガス交換が十分にできません。その結果、息切れや呼吸困難が起こります。ちょっと階段を上っただけで息切れするようになった、といったことの原因にもなります。また、症状が進行すると、肺に水がたまり安静時にも呼吸困難が起きたり、あおむけに寝ると息苦しいため、体育座りのような恰好が楽、といった状態にもなります。
右心不全は、右心室から肺に血液を送る能力が低下します。この結果全身から心臓に十分に血液が返ってこれなくなります。頚静脈が普段より膨れる、体、足がむくむ、日中のおしっこの量の低下と夜間のおしっこの量の増加、腹水、体重が増えるといった症状が出ます。特に足のむくみは夕方になるとひどくなります。
老人施設などで、普段は元気に歩いたりしてる人が、しんどいから動くのおっくう、と言っている、その人の足のむくみがひどい、などみかけたら心不全の悪化を疑ってもいいかもしれないです。
心不全の原因はいろいろあります。生活習慣が関係しているものもたくさんあります。塩分のとりすぎ、動脈硬化、高血圧・・・。これらは普段の生活で気を付けることができるものです。ちょっとだけ健康に気にかけて生活するだけでも、そうでないのと比べると違は出てくると思います。
心臓は大切な臓器ですし、その動きが悪くなると、体にも生活にも不都合なことが沢山起こってくるので、そうならないように気を付けていきたいですね。


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