世界中に生活する人がいる【世界の暮らし365日シリーズ】
人がどのような環境で、どんな暮らしをしているのかを知るのが好きです。
歴史や地理が好きなのですが、それも人の生活を知りたいというのが根底にあります。
普通の、平穏に生活する市井の人々がどんな暮らしをしていたのかを知ることが好きなのです。昔からそんな感じでしたので、便覧や資料集ばかり読んでいる学生でした。
朝起きたらなにをして、ご飯は何を食べて、昼はなにをしていて、お金はどんなシステムで回っていて、仲間とはどんな関係を築いていて、家や家具や日用品はどんなものを使っているのか…。
人間という生き物は同じなのに、時代や場所が変われば多様な生活をしている。
人間の生活、暮らし、人生。それそのものがとても興味深いのです。
海外での暮らしを知ることも、興味深いです。色々な人の暮らしを知るのって、とても面白いです。
そんな訳で今回紹介するのは、世界の暮らし365日シリーズ(自由国民社)です。
旅行者の目線ではなく、そこで生活する人のことが知れる構成となっています。
4月1日から始まって1日1ページを365日分、写真と文章で暮らしを紹介してくれています。
おしゃれなお店やスポットを紹介するのではなく、そこに住む人のありのままの姿が垣間見えて、楽しいシリーズとなっています。
旅ではわからない国民性やイベント、現地の人の言葉のニュアンス、学校、お店や街の雰囲気など。生活している人の目線になれます。
現地在住(もしくは在住経験あり)のライターさんが書く生活の様子は興味深く、国ごとに執筆者が変わるので、それぞれに個性ある本になっていてとても面白いです。
まだ全てを読んでいませんが、私のお気に入りは【ニュージーランドの大らかで自然に寄り添う暮らし365日】(草野亜希子)です。
『傍から見ればボロボロでも、自分さえ気に入れば気にせず使用します』
『身の丈に合わないものを使用するのは、逆にカッコ悪いという考え方』
こういう、自分がどう思うかを重視する価値観がとても良いですね。
とてもポジティブな国民性を感じました。
また、物が手に入りにくい立地ということもあって、ナチュラルに「あるものを使う」という考えが根付いているようです。
『(休日は)買い物のあてもなくウロウロするウィンドウショッピングよりも、綺麗な景色を見に行ったり、ビーチでゆっくりくつろいだり、ペットと一緒にウォーキングしたりするほうが一般的』
休日の過ごし方がとても良いなぁ、と思いました。ニュージーランドは自然も豊富なので、海や山などで過ごすのもより身近なのでしょうか。
肩肘張らずにリラックスした生き方…。いいですね。
かと言って、全てが順調で満たされているということはありません。
どの国にもそれぞれの課題を抱えていて、筆者は「ここはとても素敵です。でも、その反面こういう問題が起きています」と伝えてくれたりします。
こういう、いいところだけを切り取らずに伝えてくれる本はとても好きです。
だって、人が集まって暮らしていて「何も問題はありません。全員100%幸福です!」なんてことはないわけで。
それをどのように解決しようとしているのか、どんな考え方で捉えているのか、そこに国々の個性というか方向性が見えてきます。
まあ、難しいことは考えなくても、写真も素敵なシリーズですので是非ページをめくってみていただきたいです。
どこからでも気軽に読める構成なので、普段はあまり読書しないという方でも大丈夫だと思います。
ニュージーランドは元々興味があって、シリーズの中で一番最初に読み始めました。
きっかけは大学生の頃、なんとなく選択した授業がニュージーランドの地理歴史を扱う講義でした。
その担当の先生がニュージーランド好きすぎて、自費で家や庭をニュージーランド仕様にしたり二拠点生活レベルで行き来している話をしていました。
授業内容も面白く、「ニュージーランドいいところだなぁ」と思ったのです。
見た目は普通のおじさんがキラキラとした目で語る姿も印象的でした。
それ以来、ニュージーランドが気になり続けています。行く予定はないのですが。
ちなみにこのシリーズにはイギリス版もあるのですが、ニュージーランドはイギリスにとても色濃く影響を受けている国ですので比べてみるのも面白かったです。
興味があればぜひ読んでみてください。
では、今日はこの辺で。
ありがとうございました。
いちこ