#2 人は人生で何を成すのか、成さないのか【キノの旅】
こんにちは、いちこです。
ここでは、読んだ本の紹介をしていきたいと思います。
1記事につき1冊または1シリーズ、ご紹介していきます。
こんな感想もあるんだな、と思っていただけたらと思います。
本に興味を持ったり、選ぶ時の参考になれば幸いです。
では今日も前回に引き続き、思い出深い本をご紹介したいと思います。
「人生ってなんだろう」
「生きるってどういうことだろう」
と、子どもなりに考えさせられた本です。
未だにわからないですけど。
私は、想像していた人生とは全く違うものになりました。
思うようにいかないことのほうが圧倒的に多かった。
これはこれで良かった、と思える日がくるのかはわかりませんが。
答えのないものの解答を探して、本を読んでいるのかも知れません。
【今日の本】
本日ご紹介するのは、
時雨沢恵一(しぐさわけいいち)著、
「キノの旅 the Beautiful World」です。
メディアワークスの電撃文庫で、現在23巻出ているようです。
1巻は2000年発行なので、平均すると年間1冊ペースでかれこれ20年以上続くシリーズなんですね。
すごいです。
【あらすじ、内容】
内容は、電撃文庫のホームページより引用します。
【感想、雑談】
ここからは、私の個人的な感想や雑談をしていきたいと思います。
キノの旅を読んだ当時、「生きる」ということを意識せずに生活していた私にとっては非常に刺激的な内容でした。
キノの潔さや覚悟、弱さを乗り越えていく強さが、とてもかっこよかった。
旅への憧れ、1人で生きる憧れを掻き立てられました。
キノのセリフで、
「止めるのは、いつだってできる。
だから、続けようと思う」
というのがあるんですが、しみじみと実感を持って、言葉がしみます。
旅=人生だな、と感じます。
どの話も、人間の内面、
「善意」とか「願い」とか
「エゴ」とか「悪意」とか
「良い」「悪い」含めて
全ての普遍的な感情を、極限まで拡大させて極端に凝縮したような、独特の不穏さがあります。
少しオーバーではあれ、住人の言っていることはたいてい正論(のような理論)で、その立場にいる人にとっての正義であることは理解できます。
ほとんどが自国の平和な生活を求めていたり、自分の信念を貫こうとしています。
それはなんとなくわかります。
けれど行き過ぎている。
じゃあ他にどうすれば彼らの理想を叶えられたのかはわからないですが。
たいていは、あまり良い結果にはならなくて、滅んだり、犠牲が出たり、終わりを待つだけだったり。
そうなるべくしてなっていく。
どこの国や地域でもありそうで、でもどこにも無さそうなお話だなって思います。
何を言ってるんですかね、私。
うーん、
言語化しにくいというか。
私の語彙力の問題かも知れません。
冒険ものとしての面白さと、教訓めいた結末。
各巻のプロローグとエピローグにもひとくせあって、読む順番で趣きが変わります。
心の繊細な部分を引っ掻いて、時々思い出すようなそんな物語となりました。
コミカルな話もありますし、あとがきのふざけ具合も笑える本。
今も心に残っています。
【おわりに】
キノとエルメスは常に移動しているので、ほとんどの話が短編で、話もわかりやすいです。
普段あまり本を読まない、という方にもおすすめです。
残酷だったり後味の悪い話も結構ありますから、少し覚悟が必要かなと思います。
でも、基本的には淡々と観察者のように過ぎていく感じで、住人に感情移入しすぎずにいられます。
重すぎず軽すぎず、旅行気分も味わえるかもしれません。
(行きたいかどうかは別として)
興味が湧いたら、読んでみてください。
では、今日はこの辺で。
ありがとうございました。
いちこ