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#20 私を「大丈夫」にする魔法【眠れぬ夜はケーキを焼いて】
ネガティブな思考に囚われて考え込んでしまう。そんな夜には、「私は大丈夫」と自分に言ってあげることが大事で、でもとても難しい。
決して即効性のある方法ではなくても、「少しだけ」、「もう少し」を繰り返して、沈んだ自分を引き上げて、取り戻していく。
そんな静かな優しさに満ちた本をご紹介します。
【今日の本】
本日ご紹介するのは、
午後(ごご)、「眠れぬ夜はケーキを焼いて」です。
【内容】
大変なことは多いけれど、これだけたくさんのケーキをつくれるのならきっと大丈夫。孤独な夜に寄り添う12のレシピ。Twitterで大人気の作家・午後(ごご)さんが送る、眠れなくて不安な夜の過ごし方を提案するコミックエッセイ。
【感想、雑談】
午後さんは、睡眠のリズムが崩れた夜中にお菓子を作ります。
レシピは簡単で覚えやすく、混ぜて焼くだけなどの焼き菓子が魅力的です。
それでいて、とても楽しそうに作って、出来立てを美味しそうに食べています。
とても几帳面に洗い物をこなしつつ、夜の静寂を感じる。
夜中というのは、病みやすい時間だと思います。そんな時に、お菓子を作って食べるというポジティブな行動で塗り替えていくのは、とても良い方法ですね。
他にも散歩をしたり、出かけたり、掃除をしたり。日々の中で感じたことなどを描いています。
景色や色彩が鮮明に想像できて、とても繊細な感覚を持っている方なんだろうなと思いました。柔らかな色使いも素敵です。
この世界で生きるのに、私たちは欠けた器しか与えられないんだと思います。
午後さんは生活リズムが昼型社会に合わせられずに苦労している様子ですし、私も所謂「普通の人生」という定義に苦しめられてきた1人です。
健康であること、多数側であること、「普通」であることが前提の社会で、少しでもはみ出したら詰むと言われてしまう世界です。皆、必死に欠けた器をどうにかしながら完全な器をよそおっています。
でも欠けた部分は時々、予想もしないような痛みや苦悩の原因になって、心を傷つけます。
それでも、器を変えることが出来ない以上、どんなことが起きようとも歩き続けていかねばならないのが人生で。
失った欠片を探すのではなく、完全になれなかった器を愛する為に、私は何ができるのか。どう生きていくのが幸せなのか。
そうやって考え続けて生きていくのだろうな、と。でもそれは苦しいばかりではなく、喜びや感動を見つけることでもあるのだと思います。
そうやって思いを馳せるような本でした。
興味が湧いたら、読んでみてください。
では、今日はこの辺で。
ありがとうございました。
いちこ