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#24 だって私、ブスだから…! 【ブスに花束を】

最近、新しく漫画を見つけるのはもっぱらネットになりました。
漫画アプリで少しだけ読んだり、投稿サイトやXでバズったものが書籍化していたり。
ネットで購入することも増え、「これを買った人はこちらもオススメ」みたいなレコメンドに表示されて、そこから知ることがほとんどになりました。
学生時代に新しく読むものを探す時は、書店で選んだり、買った漫画の巻末の広告を見たり、友達からすすめてもらった本だったりしたのですが。

本日の漫画をどうやって知ったのか思い出してみると、pixivでパイロット版のような四コマを読んだのが始まりでした。漫画を知るきっかけにも時代を感じますね。


さて、本日ご紹介するのは
作楽(さくら)ロク先生の、「ブスに花束を」です。

ヤングエースに連載されていた作品で、全12巻です。


【あらすじ】

ブスだって、かわいい。
田端花はネガティブ思考のボッチ喪女JK。早朝の教室でヒロイン気取りで浮かれていたところを、クラス一のイケメン・陽介に目撃されてしまい…!? この恋、きっとあなたも応援したくなる! 自虐系喪女コメディ!

KADOKAWA


主人公の田端花ちゃんは、ぽっちゃりでメガネで自称「喪女」。
いわゆる垢抜けない感じの大人しめな女の子なんですが、この作品の面白いところは、ヒロイン補正が一切ないところです。
メガネを外すと美人とか、ファッションで一気に可愛くとか、そういうことが描かれません。
いい意味で、ビジュアルの変化はあまりありません。
けれど、彼女のひたすらに真面目で善良な性格だとか、謙虚で気遣いできるところに、かなり好感が持てます。
だんだん、どの女の子よりも可愛く見えてきて(美少女キャラもいますし、ほとんどの友達は花ちゃんよりもキラキラ女子に描かれていますが、それでも!)、主人公の花ちゃんの恋を友達気分で応援している気になっていました。

恋愛ポンコツなヒーロー上野くんは、まあイケメンでモテるのです。
スポーツが得意で、性格も良くて、素直で、いつもクラスの中心にいるけれど、誰にでも分け隔てなく接するイケメン陽キャ。
てんこ盛りのあるある設定なんですが、ポイントはポンコツ具合が何ともリアルというか。
恋愛方面に関して、大人びた察しの良さは備わっていません。
「普通の男子高校生並みのデリカシーのなさ」みたいなものが嫌味なく描かれていて、ちょっと笑ってしまいます。
そんなイケメン(ポンコツ)男子の上野くんが先に好きになり、恋心を自覚するというのは少し意外でした。
女の子のほうから好きになって、振り向いてもらいたい、頑張りたい、という王道展開ではありません。
振り向いて欲しい上野くんが花ちゃんにアプローチして時には失敗して、と大変甘酸っぱい。
それもこれも、花ちゃんに「恋愛」という発想がないので仕方ないです。
上野くんのことは素敵だと思っているのに「喪女フィルター」とでも言いましょうか、強烈な思い込みがあって、「もしかして…」という恋愛センサーがありません。うっかりときめいてしまうとセルフビンタで己の目を覚まさせるという徹底した姿勢。
そんな2人のすれ違いコメディーも見どころかなと思います。

後半に、この記事のタイトルの言葉を花ちゃんが叫ぶシーンがあります。これは主人公の花ちゃんが全編を通じて感じている心の叫びに思えて、ちょっと涙腺にきました。
それに対して上野くんが何と答えたのか、その前後も含めてお気に入りのシーンなので使わせてもらいました。

サブキャラクターも一人一人しっかりと個人として人格があって、主役が出ない回も楽しく読めます。
高校生の頃、こんな子いたいた、あるあるが満載です。
(たまに共感性羞恥で「ヴッ」となりつつも)擬似高校生活を楽しめて、懐かしくもなりました。

興味が湧いたら、読んでみてください。
では、今日はこの辺で。
ありがとうございました。

いちこ

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