信濃屈指の古社 長野県上田市 生島足島神社
北陸新幹線はくたかで降り立ったのは、長野県のJR上田駅。
そこから上田電鉄に乗り換えて、下之郷駅で下車すると、歩いて数分で生島足島神社にたどり着きます。
生島足島神社をモチーフに作られているように思いますが、どうでしょう。
早くも参拝気分が高まります。
境内散策
北鳥居から境内へと進むと、広い駐車場の先に祀られた「日除欅」が目に入ります。
昭和35年、下之郷駅付近の工場から出火。強風に煽られた火が本殿へも迫ったところ、2本の大きなケヤキが燃え移るのを防いだそうで、以来「日除欅」を御神木として祀られているようです。
それぞれ推定樹齢は600年、700年とも言われるレベルです。
逆に、これほどの大木は境内には残っていないのかなぁとも思いましたが、まったくの杞憂で、参道には何本もの御神木クラスのケヤキが並んでいて、大変驚かされました。
ところで、生島足島神社の拝殿および本殿は、神池に浮かぶ神島の中に建っています。
脇から見てみると、池の上に鎮座していることが分かると思います。
とはいえ、そこまで長い距離を橋で渡るわけではないことと、社殿の周りはたくさんの木々で覆われているために、体感的には池の上で参拝しているとは感じられないかもしれません。
神島へと続く御神橋は朱塗りの見事な橋で、見て分かる通り屋根ばかりか注連縄も下げられています。
こちらには人が入れないよう、やはり朱塗りの柵が設置されているのがお分かりいただけるでしょうか。
御神橋は、その名の通り神様のための橋となるため、参拝者は御神橋のすぐ隣に架けられた参拝者用の橋を利用します。
こうして真正面から見ると、まるで拝殿のようにも見える御神橋ですが、その奥に見えるのが実際の拝殿です。
参拝に上がった際は御祈祷をされていて、ありがたいことに太鼓や祝詞にあやかることができ、お陰様で神聖な心持ちになりました。
御祭神
生島足島神社の御祭神は生島大神、足島大神です。
こちらの二柱の神様、こちらの神社を知るまで聞いたことがありませんでしたが、御由緒からどういった神様かを知ることができました。
生命が持つ根源的な力が満たされるよう願いをこめて祀られているのでしょうか。
ちなみに、二柱の神様が宿る御神体は神島そのものだそうで、そのため御本殿の床は開いているのだそうです。
歴史
建御名方命(たけみなかたのみこと)が出雲国から諏訪の地に向かう途中、この地に留まり、御祭神の生島大神、足島大神に奉仕されたという古事が伝えられ、このエピソードは現在も御籠祭という神事に残っているそうです。
境内社
建御名方命がお立ち寄りになったというご縁から、境内社には諏訪神社が鎮座しています。
朱に塗られ、境内社とは思えないような立派な社殿です。
生島足島神社と向かい合うように位置する神楽殿の裏手にあたるため、諏訪神社に参拝する参拝者は少ないように感じましたが、かえって静かな時間を過ごせたと思います。
また諏訪神社の前には夫婦欅が祀られていました。
諏訪神社のほか、神池の周りにも境内社が点在しています。
中でも生島足島神社の真後ろに位置するのが荒魂神社(あらみたまじんじゃ)で、生島大神、足島大神の荒御魂が祀られています。
正面には神池。周りは緑に囲まれて、清々しい心持ちです。
他の参拝者が訪れることもなく、しばらくの時間、静かに過ごせました。
さらに、境内社ではないのですが、境内には歌舞伎舞台と呼ばれる建物が建っています。
明治元年に建設された建物は、江戸期の農村歌舞伎舞台の典型的な姿をほぼ完全に伝えていることから長野県の県宝に指定されているそうです。
歌舞伎が上演される際は、正面の扉がすべて開放され、舞台が現れるのでしょう。
実はこの歌舞伎舞台、中に入ることができます。
屋内の写真撮影はNGではあるものの、中には国重要文化財の真田信幸公の寄進状や朱印状をはじめ、多数の貴重な文書が展示されていました。
御朱印
今回お受けした御朱印はこちらです。
中央の白龍のシルエットが神々しく、またアサガオのモチーフが季節を感じさせてくれます。
まとめ
長野県上田市の生島足島神社は、神池に浮かぶ神島に鎮座する歴史ある神社。
境内には御神木級のケヤキや諏訪神社などの境内社が点在。
長野県の県宝に指定される歌舞伎舞台では、貴重な文献が展示されている。
基本情報
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