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2019-05-07〜|詩のまとめ

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2020年6月の記事一覧

夏至

私の手の中で
夢が震え始め
朝起きると屍になっている
かつて死んだ自分が
未来に向けて
語りかけてくる
眼球のない目は暗く
部屋の壁は暗かった

私は今ある生を生きる

何回死んでも
何回生まれ変わっても

浜辺に浮かぶ鳥

昨夜(ゆうべ)
身体が心をすり抜けていった
時は静かに流れを止め
逆向きに回り出す
意味もなく回転する歯車

人の力で動かすことの出来ない
自転している大きな天体
空に浮かぶ星々
生まれる前の光を浴びて
宇宙の塵になる

人の力の及ばぬ光が
身体の中まで降り注いで
宇宙の色が透けて見えるほど
眼は遠くを見つめていた
今はもうそれにも飽きて
誰もいない浜辺
一人で静かに歌っている