浜辺に浮かぶ鳥

昨夜(ゆうべ)
身体が心をすり抜けていった
時は静かに流れを止め
逆向きに回り出す
意味もなく回転する歯車

人の力で動かすことの出来ない
自転している大きな天体
空に浮かぶ星々
生まれる前の光を浴びて
宇宙の塵になる

人の力の及ばぬ光が
身体の中まで降り注いで
宇宙の色が透けて見えるほど
眼は遠くを見つめていた
今はもうそれにも飽きて
誰もいない浜辺
一人で静かに歌っている