それは誰の人生?
落ち着いていろいろと考える時間ができて、自分の人生で何が大事なのか、ようやくわかってきた気がする。
大事なことは、自分の人生を他人任せにしないこと。小さなことからでいいから、なんでも自分が決めていくこと。そうして、自分の人生に自分で責任を持つこと。
自分勝手に生きるということではない。ただ、自分の気持ちも周りの人と同じくらい大事にすることが大切なのだ。
わたしはもうすぐ50才。それなのに、ずっとそれができていなかった。幼少期から、親の顔色を伺ってきたし、それからも波風を立てず、事をこなすことに重点を置いてきた。
自分の気持ちは置いておいて、嫌だと思ったとしても我慢して、うまく事が進むことを優先する。それで、なんとなくここまで生きてきた。それはそれで、自分自身がその生き方を選んできたと、胸を張れたならよかったのだが、そうではない自分がいる。
わたしは、自分で選んできた人生なのに、他人任せなところがあった。やらされていると感じてもいた。困難なことに直面すると、自分の不運を嘆くだけで、誰かがどうにかしてくれないかなと願ってしまっていた。他力本願だった。
誰の人生なのか。
わたしの人生はわたししか創れないと、腹落ちするまでにとても時間がかかった。気がついたのは最近だ。
気づいただけでも、世界はより色鮮やかに見える。まだ不慣れで、よくよく考えると怖いのだが、わたしがなんでも決めていいんだと思うと、ワクワクもする。ようやく、自由になれた気分。
もう、自分を押し殺してまで、誰かのために無理をしないようにしよう。たとえ、子どもたちのことでも、自分の親に対しても。本当にわたしがやりたくないことはやらず、別の解決方法を考え出せばいい。
また、わたしと似たところがある息子にも同じように伝え続けたい。
息子の人生は息子が決めること。今は難しくとも、息子が自分で決めて生きていけるように、わたしはサポートしていけばいいのだ。子育ての芯のようなものがようやくできた。
不思議なことだが、息子が息子らしくなっていくにつれ、わたしもどんどん生きやすく、楽しくなっている。息子のいろいろは、わたしのいろいろにつながっている気がする。
こう気づくために、今までの道のりがあったのかもしれない。