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もったいないような
朝早く、目が覚めてしまった。
まだ、時刻は4時すぎ。
もう一度、寝ようと思ったが、眠れない。
起きるか。
いつものように、本を開く。本を読みながら、印象に残ったところを、ノートに書き写してゆく。
ふと、日の出が見たくなった。日の出って、何時だっけ?調べたら、4時43分。
歯磨きして、顔を洗い、着替えて、外に出る。小寒い。西風が強めに吹いている。もう少し、上に羽織った方がよかったかな。まぁ、寒くなったら、走ればいいか。
屋根の上に、ぽってりとしたすずめがいた。真冬じゃないのにと目を凝らすと、どうやら雛のようだ。飛び方がつたない。がんばれ。がんばれ。
いつもの散歩道をゆく。
東の空が明るくなってきた。この時期は、太陽、ずいぶんと北寄りから登ってくるのだな。
田んぼの水が日の光を浴びて、キラキラと光っている。空は雲ひとつなく、澄み切っていた。シロサギが目の前を飛んでゆく。
目の前の世界は、生まれたてみたいに、美しい。こうやって、朝は毎日やってくるんだな。当たり前は、当たり前じゃない。しばし、その場に立ちすくんだ。
身体が浄化されたみたいに軽い。身体は冷えていたけれど、結局、ゆっくりと歩いて帰ってきた。
走るのが、もっないないような朝だった。
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